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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-33
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ったのだ。


 食事は自分たちで作らなければならないが、目の前は浜辺で家の裏は山。夏の代表的なものはすべてそろうから思い出にとでも言って誘ったのだ。期間は二泊から三泊。


 ……忘れていたが、楯無のことだが、仕事が山のように残っているらしく夏休みの間遊んでばかりいたからか、宿題に追われる小学生のようだったことから察してほしい。


「今回はありがとな御袰衣。まさかちょっとした旅行に行けるとは思わなかったよ」
「遊ぶこともいいが、本題は俺の実家の掃除だからな。そこをはき違えるなよ。それが終わってからだ」
「それは分かってるけど……御袰衣君のご実家ってそんなに大きいの?」
「んー、あー……それは行ってからのお楽しみだな」


 そんなこんなでかなり意外な七人の旅は始まった。


 ◯


「お疲れ様です、隊長」
「ああ、クラリッサさ……んんっ、クラリッサか。出迎えご苦労」
「……? 少しお変わりになりましたか?」
「ん? まあ、いろいろと変わったな。特にIS学園に行ってからの二か月はとても濃いものだった」
「そういうことでしたか。では、こちらです」


 クラリッサの案内に従ってシュヴァルツア・ハーゼ部隊の演習場を進んでいくラウラ。基本的にこの部隊はこの演習場を中心とした敷地に寮などすべてがある。
 クラリッサに案内されて着いたところは、学園に行く前にラウラが使っていた私室だった。


「今日はゆっくりお休みください。明日から、また短い間ですがご指導の方をお願いします」
「分かった」
「あと、一段落ついたら顔を出す様にとのことです」
「誰からだ」
「……? 何を言っておられるのですか? ヴィルヘルム中将のもとに決まっているでしょう」
「……ああ、そうだったな。忘れていたよ、済まない。少し疲れたようだ、遅い時間になるかもしれないと伝えておいてくれ」
「了解しました。ではこれで」


 ラウラはクラリッサと敬礼を交わすと、私室へ入る。引いていたキャリーバックをベットの近くに置いてベットに腰掛ける。少し軋んだ。


「……このラウラ・ボーデヴィッヒの話し方は疲れますね。これではぼろが出てしまいかねません」


 思わずといったように呟いた彼女の雰囲気は、先ほどとは全く変わっていた。ラウラ本人が抜身の刃と表すと今のラウラはあどけなさが残る幼い少女だ。性格が全く違うことがすぐに分かる。
 それもそのはず、彼女はラウラ・ボーデヴィッヒではないのだから。その違いは全く分からないが、今はクロエ・クロニクルと束に名づけられた少女だった。では、本物のラウラは何処か。


 ――ガチャッ。
 横に倒したキャリーバックの中から出てきたのは、クロエの服などの日用品――――ではなく、
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