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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第三九話 絆
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は分からないが衛士としての評価で言えば忠亮以上の実力者という事だ。
そんな衛士に絶対に背を預けなかった。――信愛も力もあってなお、背中を預けない。
では何を満たせば自分は彼の力となれるのだろうか。
「そしたら彼女も意地になって腕を更に上げて行くし、彼も彼で個人戦闘なら相変わらずトップを独走、そんな彼を打ち負かそうと更に彼女は腕を上げてって感じでね……
見ていて中々飽きない二人だったよ。」
懐かしさを思い出しながら当時の二人の様子を告げる甲斐、この時点で真壁と聞いた二人の関係に対する印象がなんか妙なことになっている。
「何というか、切磋琢磨って言葉がぴったりの強情な二人だったかな?えっと……昨今流行りのツンデレ?って奴だったのかな?
まぁ、へそ曲がりのツンデレと意地っ張りのツンデレ。うんそんな感じ。」
―――よう分からん。
甲斐の今一つ要領を得ない表現にそんな感想を思わず内心に零す。というかぶちまける。
「……真壁少尉に聞いたのとだいぶ印象が違うようですが。」
「あぁ〜、なんというか。最初はすごい御淑やかで凛とした女性だったんだ。だけど、あんまり彼が帰れって邪険にするものだから………あるとき“ぷっちん”と被ってた猫が逃げてったのか、単に開き直ったのか――――そんな感じになった。」
実は、その事件以降。あまりに豹変した彼女のありように密かに関心を寄せてた数人がショックで数日使い物に成らなくなったのは内緒。
人によってはPTSDで後催眠暗示のお世話になったとか、男女問わず同性愛に目覚めたとか、被虐趣向に目覚めたとか―――というのはもっと内緒。
と、その時のおぞましい記憶を心の本棚の奥深くに丁寧に封印し片づける甲斐。……猫は一体どこへ行ってしまったのだろう。早く帰ってきておくれ。
「はぁ……すごい人なんですね……」
「うん、まぁ……いろいろすごかったよ。」
当時を思い出して胃がキリキリ痛み出す甲斐。いまだに当時の混迷期の精神性の古傷は彼を苛む。
(……この人、苦労人なんだなぁ)
同病の自覚のない唯依が呑気な感想をダダ漏らす。
「ごほん!兎に角!」
咳払いし、過去のトラウマを振り払う甲斐。
「君が彼の背を支えたいと願うのなら、武力じゃだめだ。それ以外の何かで支えないと。」
「武力じゃだめ……それでは一体。」
「さて、それは僕には分からないよ。僕は武人だ、僕にある力は武力のみ―――だけど、力とは武力といった直接的な力だけを指すモノじゃないだろ。
たぶん、君にしかない力と、君しか出来ない事柄がきっとあると思う。」
同じ役割では、頼ってもらえない。
たとえ、特別な力や身分を持っていたとしても神様は特別扱いはしてくれない。だ
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