Fate/stay night
1114話
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れた。
ちっ、また厄介なスキルを!
「ぐっ、ごほっ、これだけの威力とは……」
幸い、セイバーの方は威力の殆どを受け流した状態ではあっても、ある程度のダメージはあったらしい。
苦しげに咳をしつつも、セイバーは剣を廊下に突き刺しながら立ち上がる。
バーサーカーの防御力すら貫いてダメージを与える一撃を受けて致命傷を負っていないというのは、やはりダメージの殆どを受け流したんだろう。
幾ら鎧を身につけているとしても、受けたダメージがあまりにも少なすぎる。
けど……確かに受けたダメージは少ないが、それでもダメージはダメージ。
骨の1本や2本折れていてもおかしくはない。
サーヴァントにしてみればすぐにでも回復出来るだろう怪我だろうが、それもマスターがいてこそだろう。
特に今のように衛宮が凛と戦っている状況では、セイバーにとってこの程度の傷でも大きく足を引っ張る。
故に……
「ここで決めさせて貰う!」
床を蹴り、セイバーへと向かって間合いを詰める。
当然セイバーは見えない剣を振るってくるが、微かではあって、明らかにその剣速は鈍っていた。
剣の振るわれる軌跡を見極め、鋭く床を蹴ってその一撃を回避、そのまま内側へと入り込み、再び拳を振るう。
「くっ!」
先程同様の軽い手応え。
再びこちらの攻撃を受け流したのだろう。
確かに魔力を噴射して強引に自分の身体を吹き飛ばすという方法は凄いと思う。
けど、それでも少なからずダメージを負う以上、いずれは押し切られる。
吹き飛ばされた先で足から着地したセイバーに追撃の一撃を……
「きゃあああああああああああああっ!」
放とうとした、その瞬間。そんな悲鳴が聞こえてくる。
何だ!?
『凛、今の悲鳴!』
『ええ、聞こえたわ。多分まだ校舎内に残っていた部外者! 悪いけどちょっと見てきて』
『セイバーは?』
『しょうがないわ。こっちも今そっちに向かってるから』
ちっ、しょうがない。
「惜しいところだったけど、今日はこれまでだ。命拾いした幸運に感謝するんだな」
「なっ!? アークエネミーッ!」
そんな怒声を聞きながら、俺はその場を後にする。
……霊体化を使えれば壁抜けとか出来るんだけどな。
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