Fate/stay night
1114話
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エネミー、貴方の方が余程に厄介な相手です。ですが、このまま戦いを長引かせる訳にはいきません!」
そう告げると、一気に俺へと向かって突っ込んで来るセイバー。
何を焦っているのかと一瞬悩むが、すぐに理解する。
ここからは見えないが、少し離れた場所では相変わらずガンドの掃射音が聞こえていた。
つまり、凛と衛宮の戦いは未だに続いているのだ。
けど元々魔術師としての能力では、凛が圧倒的に勝っている。
つまり、俺がここでセイバーを抑えていれば、それだけでこちらにとっては有利展開なのだ。
セイバーが言っているのもそれなんだろう。
……となると、こっちとしても無理にセイバーを倒さず、時間稼ぎに専念した方がいいか?
いや、何だかんだとセイバーは間違いなく凄腕の剣士であるのは間違いない。
ここで迂闊に時間稼ぎでいいと判断しようものなら、一気にこっちが押し込まれる可能性が高い。
やるのなら、きちんとセイバーを倒すつもりで戦うべきだ。
「そうか? なら、俺は戦いを引き延ばす方に全力を使わせて貰おうか」
まぁ、わざわざそれを口に出したりはしないけどな。
相手が焦ってくれるのなら、それは十分過ぎる程こっちが有利になる証だ。
どうしたって間合いの面でこっちが不利な以上、ステータス差で押し切る為にもセイバーには動揺して貰いたい。
そんな思いで告げたんだが、生憎とセイバーにしてもここで自分が動揺すればすぐに負けてしまうというのは理解しているのだろう。見えない剣を構えたまま、特に焦った様子もなく口を開く。
「そう簡単にはいかせません。確かにシロウは貴方のマスターよりも魔術師としての腕は下でしょう。ですが、生き延びるということに関しては決してひけを取りません」
「だといいがな。俺のマスターの凛は生粋にして一流と言ってもいい程に腕の立つ魔術師だ。衛宮程度であれば、あっさりと勝負がつくだろうよ」
「それはありませんね。現実に、未だ戦闘音は続いているのですから」
ガンドの連射による音が聞こえてくるのを、セイバーが笑みを浮かべて受け止める。
ちっ、こういう時には、あのガンド・マシンガンは色々と不便だな。
「そうか。なら、こっちとしても相応に対処させて貰おうとするか」
ジリ、とセイバーとの間合いを詰めて行く。
セイバーも、俺が近づいてくるのに合わせて見えない剣を上下に揺らしながらタイミングを取る。
こうなると、見えない剣の長さが具体的にどの程度なのか分からないのが痛いな。
特に格闘をメインにしている以上、間合いの読み違えは致命的なまでに痛い。
「こちらとしても、ここで無駄に時間を掛ける訳にはいきません。……いきます!」
機先を制するという意味では、これ以上はないというタイ
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