三十九話:診断と日常
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のだ。
だからこそ、かつてのエクスヴェリナの二つ名を知っていたのだ。
「お兄ちゃん! ご無事ですか!?」
「リヒターさん、やっぱり病気だったんですね!」
(ゴフォッ!?)
「哀れな子孫よ……」
そんな話をしている時に連絡を聞いて駆けつけてきたアインハルトとヴィヴィオが到着する。
ヴィヴィオは到着するなりリヒターの心を抉ったが。
そして遅れてミカヤ、ヴィクター、ハリー、エルスなどが部屋に入って来る。
(違うんだ、ヴィヴィオちゃん。俺は正常だ。この上なく正常なんだ)
「と、言っているぞ。聖王の小娘」
「え? え? 二重人格ですか?」
「これは中二病……うっ、昔の古傷が」
「おい、なんでお前が苦しんでんだよ、デコ助」
同一人物から聞こえる二つの声に混乱するヴィヴィオ。
そして何やら自身の黒歴史を思い出したのか苦しみだすエルス。
そんなエルスに呆れながらツッコミを入れるハリー。
いつもと違うリヒターに抱き着くのを戸惑い挙動不審に陥るアインハルト。
シリアスなど聖王の末裔の前では無意味なのである。
「はぁ……それで一体何が起こっているのか説明くれるかい? どうせリヒターが何か粗相をしたのだろうけどね」
(相も変わらず俺に対する風当たりが強いな、ミカヤ。まあ、今はいいだろう。それじゃあ話すとしよう)
リヒターが事情を説明し終えた後、辺りは沈黙に包まれた。
因みにだが半分が『まさかそんなことがあったなんて……』で、もう半分が『あのリヒターが王の末裔とか世界終わっているだろ……』という沈黙である。
誰がどちらにいるかは名誉のために言えない。
「ベルカ諸王ということはわたくしダールグリュンとも何か縁があるのかしら?」
「ダールグリュンとは残念ながらまみえたことはないのう。聖王とは縁があるがな」
「ほ、本当ですか。どんな関わり合いだったんですか?」
「見事に腹を切り裂かれてな」
何故か嬉しそうに語るエクスヴェリナの言葉に場が静まり返る。
周りにいる人間が基本的に仲間であったために今までこうした因縁は無かったので油断していたとヴィヴィオは反省する。
「す、すいません」
「なぜ、貴様が謝るのだ。まさかかの聖王と自分を同一に見なしているとでもいうではあるまいな?」
謝るヴィヴィオに対してエクスヴェリナは鋭い眼光で睨みつける。
彼女はかつての強敵が小娘と同列に語られたようで気に入らないのだ。
ヴィヴィオはそこまでの心情は読み取ることは出来なかったがすぐに自身の信念から言葉を返す。
「違います。私はオリヴィエの記憶も持っていますけど、ヴィヴィオです。高町ヴィヴィオなんです」
「ふむ、聖王とは比べようもない程軟弱だがその心だけ
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