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少女1人>リリカルマジカル
第十五話 幼児期N
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は一切なかった。確かに毎年誕生日は、1日をみんなで一緒に過ごすし、ピクニックに出掛けていた。記念日は大切だけど、でもそれにこだわって母さんが無理をする方が、俺たち兄妹にとっては見過ごせないことだったからだ。

 おそらくもう、母さんがこんなふうに休みを取れる日は開発が終わるまでないと思う。今日だって、開発チームのみんなが、母さんや俺たちのためにとわざわざ時間を作ってくれたのだから。みんなには小さい頃によく遊んでもらったし、今でも忙しいのに時々様子を見に来てくれることもある。

 母さんやそんなみんなが、俺たちのために作ってくれた日。それだけで今日という日が、誕生日に負けないぐらい大切な日なんだと俺は思っている。うん、今日は楽しい1日になるといいなー。



「よーし、私が1番乗りだぁー!」
「あ、ずりィッ! だけど、このぐらいの距離ならすぐに追いつけ……ぐほォッッ!!」
「にゃー!」

 アリシアが花畑に向かって走り出したのを見て、俺も追いかけようとした。……後頭部に衝撃が来て、息が詰まってしまい、それどころではなくなってしまったが。

「ナイスだよ、リニス! 私たちのチームプレーの勝利!」
「ちょッ、普通にせこいんだけど!?」

 アリシアがリニスに向かってサムズアップ。リニスも後は任せなさい、というように立ち塞がる。俺とアリシアでいろんなことで勝負することはあるけど、これはひどくないですか!? リニスにいきなり後ろから、頭を踏み台にされたんだけど。


「なんだよ! さっきまで空気を読んで静かにしていたくせに! というか、やっぱり今のズルいだろ!?」
『普通に勝負で、転移使ってる常習犯が何を…』
「…………まずは、リニスをどうにかしないと駄目だな」
『ズルの自覚は微妙にあったのですね』

 お前はどっちの味方だ。まだリニスにおもちゃにされた時、助けなかったことを根に持ってんのかよ。あれはどうしようもなかっただろうが。

 とにかく、リニスが近くにいると転移に集中できない。俺が転移しようとした瞬間には、もう飛びかかってきてそうだ。なんという反応速度。このにゃんこがここで立ち塞がっているということは、それができるだけの自信があるということだろう。くっ、なんて手強い相手なんだ。

「うまく逃げながら、隙をついて転移するしかないか」
『転移使うのは、やっぱり確定なのですね』

 リニスの後ろを通り抜ける方が難易度高いだろ。それにしても、アリシアがこんな作戦をたててくるとは。明らかに、俺が転移を使ってきそうだと読んでいたみたいだ。でも、さすがになんでもかんでもレアスキルを使っているわけでは、ないはずなんだけどな…。

 だが、いいだろう。そっちがその気なら俺だって負けられるか! こうなったら俺の切
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