第十五話 幼児期N
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ボンと若葉色のワンピースがよく似合っている。
母さんも淡い優しい色合いの服が、落ち着いた印象を与えている。普通に美人だよな。いつもの仕事用の白衣も似合っているけど、俺はこっちの方が好きだな。
リニスもナイスもふもふです。
「アリシアって水色とか黄緑色とか明るく映える色が好きだよな。そういう色の服も多いし」
「あ、そうかも。でも、お兄ちゃんは暗めの色が多いよね」
「あー、目立つ色ってどうも苦手なんだよな…。それに、いろんな服に合わせやすいし」
俺の服装は、白いシャツの上に紺色の上着を着込み、黒いズボンをはいたといういたってシンプルなものだ。髪も特にいじってない。というか、いじるほどの長さもないし。坊主とか短すぎるのはいやだから、多少の長さはあるけど。俺は母さんと同じでちょっと癖っ毛がある髪だから、あんまり伸ばすとはねるんだよな。
「でも、もう少しおしゃれしてみてもいいと思うわよ。きっと似合うわ。いつかみんなでお買い物に行ってみましょうね」
「ほんと! じゃあ私ね、お兄ちゃんにぴったりのお洋服見つけてあげる」
「はは、そん時はよろしく頼むよ」
俺は笑みを浮かべながら、ひらひらと手を振っておいた。アリシアはお買い物に行く日が楽しみなのか、どんな洋服を見ようかもう考えているようだ。さすがに母さんも忙しいだろうし、行くならきっと開発が終わった後になるんだろうな…。
「アリシア。あんまり先のことばっかり考えてたら、鬼さんに笑われるぞー」
「えー、鬼さんに?」
「そうそう。先のことも大切だけど、今この時も大切なんだぞってな」
ばあちゃんに昔、そんなこと言われたしな。俺もまずは自分がやるべきことをやってから、これからを改めて考えていけばいいさ。焦っても仕方ないしな、うんうん。
あ、そういえば異世界だし、鬼とかもちゃんといたりするんだろうか。いろんな種族がいてもおかしくないだろうし。やっぱりパンツ派だろうか。いや、意外にブリーフを穿いたり、ブーメランでおしゃれしているかもしれない。異世界の鬼だし。もしかして、柄もトラ柄のみならず、シマウマとか高級感溢れるものの可能性も…!
「鬼もおしゃれ期に突入か。毎日がまさに勝負パンツとかさすがは次元世界の鬼」
『もう服ぐらい着てるんじゃないですか』
「じゃあ、リニスは服を着てないから鬼さんよりもすごいの?」
「にゃうにゃう」
違うから、むしろ一緒にしないでね、というように首を横に振るリニス。まぁ、動物にとっては毛が服みたいなものか。毛がいっぱいある動物ほど、無くなったときのビフォーアフターは言葉を失うほどだからな。
それにしても、リニスはなんだか最近、突然の振りにあまり慌てなくなってきたみたいだ。ちょっと残念。慌てた姿はかわいかっ
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