暁 〜小説投稿サイト〜
DQ3 そして現実へ…〜もう一人の転生者(別視点)
非常識な男とその家族…はい私達の事です!
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辺りは暗闇に覆われ、日めくりカレンダーを1枚捲った頃、地球のへそへと通じる扉からアルルさんが姿を現した………彼氏を伴い。

「お帰りなさい、試練は………!!」
神官が事務的な口調で成果を確認しようとしたが、アルルさんに続いて現れたお兄ちゃんを見て絶句する。
…まぁ…当然よね。

勿論驚いているのは神官だけじゃない。
ウルフやカンダタは固まっている…
私とお母さんも納得はしているが、どうしてなのかが分からず微妙な気分。

「よう!どうだった?ブルーオーブは手に入った?」
原因を作ったお父さんは、空気を読まず気さくに話しかけてる。
「えぇ、バッチリ!」
アルルさんも場の雰囲気を無視して、明るく答える。
染まってきたわ…

「そっちの色男はどうだ?良い女をナンパ出来たのか?」
「ええ!美女の匂いを辿ったら、彼女に出会いました。最高に良い女です!」
うん。話の辻褄が合致する…
困ったわ…このパーティーの理性とも言える2人が、事もあろうに非常識星人寄りに染まってきた。
ゾーマの下まで辿り着けるかしら…

「じゃ、万事OKって事ね。…待ちくたびれて疲れたよ!宿屋に帰ろうぜ!」
「父さん…1つ困った事が…」
「どうした?」
「僕の度し難い方向音痴は、治らない物ですかねぇ?」
「う〜ん…一晩寝れば治るんじゃね?」
「じゃぁ安心だ」
お父さんとお兄ちゃんが意味不明な会話を続けながら出て行こうと出口に向かう…

「ちょっと待ちなさい!!」
だが、そうは問屋が卸さないのが神官。
一人で行うはずの試練を二人で行った疑いに、猛然と立ち向かう勇気ある神官さん…
一般的な男(貴賎を問わず)であれば問題ない…尤も一般的な男に、こんな非常識な事は出来ないが…
だが今回は相手が悪い。
痛い目(心身ともに)を見ないうちに諦めるべきだ。

「こ…この試練は、勇者が1人で行う事に意味があるのです!にも関わらず、何故アナタは一緒に洞窟へ赴いていたのですか!?」
怒りのあまり甲高い声で詰め寄る神官。

「私は1人で試練をやり遂げました」
「僕は美女の匂いを求め彷徨った末に、直ぐそこで彼女と出会いました」
スゲー…言い切ったわ…もう殆どお父さんじゃん…
「何の問題も無いじゃん!」
そして神官の神経を更に逆撫でするのが本家!

「な、何を言っているのですか!貴方の息子さん…ティミーさんでしたね。ティミーさんは、地球のへそへと通じている、この扉から戻って来たのですよ!高く険しい絶壁に囲まれた、洞窟の方から帰って来たのですよ!」
「それが?…コイツ、すげー方向音痴なんだよね!きっと迷いに迷って、洞窟の方へ行っちゃったんだよ!」
そう言えば『らんま1/2』って漫画にも、そんな芸当をやってのける方向音痴が居たわね…

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