episode3 ーFakerー
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ッシュバックし、背筋がゾクリとする。
「ところで、楓さんはいつから居たんですか」
「そうですね、『楓さんに内緒にしとけって』べそかいてた時くらいですかね?」
「最初からじゃないですか??」
◆◇◆
「それはさておき、問題はこいつをどうするかですか、ですね」
「スルーですか……」
「き、切り替えが早いわね」
相変わらずマイペースな楓さんに表情を若干ひきつらせる葵さん。
まあ解決は早い方がいいのだが、いい方法など微塵も思い浮かばない。
ふと目線を上へと上げると思案顔の楓さんと、視線がぶつかる。
「すっごく迅速かつ簡単な方法を思いつきました」
私の顔を見つめながら、ニタァと口角を上げ、一言。
ーーーなんか、すっごく嫌な予感がします!!!
◆◇◆
デュエリスト、レンカのニセモノが出たと伝えられた日の翌日の夜。私はニセレンカが出るという森の中にいた。勿論、デュエルの際に着用するフードを被って。
「はぁ、本当にこんな事で来るんですかね〜……はぁ」
人気のない森の中、ため息混じりに呟くと今朝伝えられた作戦を思い出す。
内容は至極簡単だ。
ーーニセモノをホンモノがデュエルで叩き潰す。
「はぁ……帰りたい」
もしかしたら来ないのではないか?と言った考えが頭を過る。諦めて出直そうと考えていた矢先、無線に連絡が入る。
『レンカさん、ターゲットが来ました。準備をお願いいたします』
「っ!ハイ」
即座に気を引き締め、周りを見回すと森の奥からゆっくりとした動作で全身をローブに覆った人物が現れる。
その姿は少し昔の竜使いレンカの姿と酷似している。そして、光源がほとんどない森の中という立地条件のため、判断をつき辛くしている。
ニセモノは私の事を確認するなり、デュエルディスクを構え起動させる。
「言葉は不要……という事ですか。ホント、少し前の自分にそっくりでーー」
ーーイラッと来ます!
「決闘!」
「……決闘」
◆◇◆
ニセモノとホンモノのデュエルが始まったのと同時刻、葵と楓の二人は彼女らからは視認できない位置に陣取り、観戦していた。
「さてさて始まりましたね〜」
「えぇホント。こんなあっさり釣れるなんて……馬鹿なのかしら?」
楓はスポーツ観戦でもするかのように楽しげな表情を見せ、葵は呆れを表していた。
「しかし、まぁ。まったく似てないわね〜」
目線の先に立つ黒ローブのニセモノと黒ポンチョのレンカを見比べ、ため息を吐く。
身長から、立ち姿、振る舞い。そして、強者が放つ特有の威圧感を黒ローブからは少しも感じられない。
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