episode3 ーFakerー
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闘っていた頃の衣装である。さらにローブの人物をレンカとたらしめる証拠がもう一つ映っていた。
「あ、これって『メテオ・ブラック・ドラゴン』?」
ローブの人物のフィールドにはレンカも使う『真紅眼の黒竜』の融合体の一つ、『メテオ・ブラック・ドラゴン』が確かに居た。
「ねぇ、葵さん。この画像ってなんですか!」
「そう、やっぱりあなたじゃないのね?」
「はい、こんなの全く覚えがありません??」
葵の問いに対し、違うと断言すると、彼女は顎に手を当て考え込んでしまう。そして、しばらくした後納得したかのように頷くと語り始める。
「多分、この黒いのが華蓮じゃないとすると残る可能性は一つ。"漆黒の竜使い"レンカの偽者ね」
「に、偽者??」
思わぬワードにびっくりする。まさか自分の偽者が現れるとは夢にも思っていない。だが、同時に明日香や葵が執拗にレンカの正体を突き止めようとしていたことに納得する。
「まさか、この人が本当に偽者かどうか確かめるため?」
と自信なさげに尋ねると葵は首を縦に振った。どうやら正解のらしい。
だが、どうして"漆黒の竜使い"レンカなのか?
「そんなの変装し易いからに決まってるじゃない」
「……悪かったですね」
確かに黒いローブを被ってしまえばオーケーとか楽すぎる。それに声だって余り喋らないようにしているため、本物をそれだけで見分けられる人は少ない。髪の毛だってウィッグを使えばいい。
なんでしょう、なぜか悲しくなってきました。
「予想してなかったわけでもないんですけど?こんな事態になってしまうとは……プロフィールを隠匿するのも考えものですね〜」
「「っ!?」」
不意に第三者の声が室内に響き、息を詰める。即座に音源の方へと振り向けば、ティーカップ片手にソファに寛ぐーー
「ーー楓さん??」
「数時間ぶりですね、華蓮さん」
「……あら?新しい先生の方ね」
「どうも、橘 楓です。一応今はここの臨時教員ですが、レンカ氏のマネージャーを務めています」
立ち上がりそう言うと笑顔のまま握手を交わす。
「ルームメイトで二年の葵ですわ。今後ともよろしくお願いしますね」
「そういえば……早速華蓮さんがお世話になったようですが、やはり少女なので余りからかわないでくださいね?」
そう言う楓さんの笑みは酷く恐ろしい。だが、葵さんは怯むどころかあちらも余裕のある表情を浮かべる。しかし、ヤケに"お世話"の部分が強調されていたがどういう事か。
「ふふ、確かに普通の可愛らしい女の子、でしたね。怯える姿は可愛いかったですよ」
つい数分前、葵さんに詰め寄られ白状させられたシーンがフラ
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