episode3 ーFakerー
[1/8]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「さぁ、話してもらいましょうか。"漆黒の竜使い"さん?」
ーーーもうバレてるじゃないですぁぁぁ!
葵に凄みのある笑みを向けられた華蓮、もとい"漆黒の竜使い"レンカは目尻に涙を浮かべつつ必死に現状を打開する策を考えていた。
まずは逃走を図ろうとするも、唯一の外へと続く扉の前にはまるで捕食者のような目つきを向ける葵がいるため、諦める。
そもそも、ルームメイトであるため今逃げたところで状況は変わらない。
「つ・か・ま・え・た ♪」
「ヒィッ!?」
打開策を考えるのに夢中になりすぎ、葵に接近を許してしまう。だが、気づいた時には遅く、妙に色気のある声を出す葵に両腕を掴まれ、情けない声を上げてしまう。
「理由聞くまで逃がすつもりないから、早めに吐いた方がいいわよ?」
「……あぅ」
ギラギラとした視線を向けられ、早速初めて会った時のお淑やかさは微塵も感じられない葵の変貌っぷりに華蓮は困惑すると同時に恐怖を感じる。
そして、ふと家を出る時には母親と交わした会話が頭をよぎる。
『そうよね〜。けど、女子寮なんでしょ?お母さん、華蓮が心配だわ』
『……どうして?』
『襲われないか……とか?』
『……??んなことあるわけないじゃん!』
『あらあら、顔を紅くしちゃって。けど、女子寮は万魔殿ムってよく言うじゃない?』
ーーー助けてください!!かえでさぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!
内心で最も信頼する人物の名前を叫ぶがアニメのヒーローみたく都合よく駆けつけてくれるわけなく、葵の尋問に華蓮が根を上げるのはこの数分後だったりする。
◆◇◆
「なるほどね〜。道理でこんな中途半端な時期に転入生が来るわけね」
「うぐ……楓さんに内緒にしとけって言われてたのに……」
満足げな笑みを浮かべる葵の一方で、華蓮はマネージャーとの約束を守れなかった罪悪感からクッションに顔を埋め、すすり泣いていた。
それをみかねたのか、葵は顔を上げさせると情報端末を操作し、一枚の画像を見せる。
「……あなた、これに見覚えあるかしら?」
「え?……アレ?」
華蓮に端末の画面へと映し出された画像をみて、困惑気味の声を上げる。
画面に映っていたのは、森の中だろうか?周りを木々に囲まれた空間で二人の人物がデュエルをしている様子だった。画面奥の方に映っているのは、黄色のデュエルアカデミアの制服に身を包んだ男子生徒。そして、もう一人の人物は……
「……え、私?」
すっぽりと全身を包み隠すような黒いローブの人だった。そして、フードの隙間からは数束、紅い髪が垂れているのがわかる。
どう見ても、少し前まで"漆黒の竜使い"レンカとして
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ