第六十四話
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投擲した。
GYAUUUU
ガツっと言う音がして弾かれ貫通はしなかったが、それでも今始めてドラゴンゾンビのHPを削った。
「マジであそこかよっ!」
しかし、難易度はさらに高かった。
「よく見ろ、HPが回復している。自動回復能力まであるようだ」
俺が与えたダメージなんてものの数秒で回復したようだ。
「どうするよ!?」
「鉤爪での攻撃を誘導して頭が下がった所に攻撃するしかないだろ」
「マジかよっ!」
「マジだ」
「それしか無いんですよね?」
それ以外の選択肢は無さそうだ。
「俺が攻撃を誘導するから、2人はあの宝石を叩いてくれ」
「っ!分かりました!絶対に無理はしないで下さいね!」
「ヘマするなよなっ!」
一番危険な役回りを引き受けた俺を二人がそれぞれの言葉で激励する。
これは頑張るしかないな。
左手の曲刀を鞘にしまい、機動力の落ちにくいミドルシールドをアイテムストレージから取り出す。
「行きますっ!」
まず俺がドラゴンゾンビの正面に立ち、爪での攻撃を誘導する。
当然、爪での攻撃は前傾姿勢になる為に自然と頭が下がる。
「やっ!」
シリカがすかさずにダガーを振った。
瞬間、HPが今までの戦闘が嘘だったかのように減少する。
「効いてますよ!」
「ああ、ようやく突破口が見えてきたな」
俺が誘導し、そこをサイドからシリカとクラインのどちらか近いほうが宝石めがけて攻撃すること十数回。
ドラゴンゾンビのHPも残り一割になったとき、ドラゴンゾンビのモーションが変わった。
「!?シリカ、クライン、気をつけて!何か違う!」
俺の叫びも虚しく、突如としてドラゴンゾンビの体表からガスが発生し、ドラゴンゾンビを中心に半円状に包み込んだ。
「何が!?」
クラインが戸惑いの声を上げる。
「HPは減ってないです!」
シリカが素早く状態をチェックした。
だが…
「武器が腐食している?」
バキンっ
俺の左手に持っていた盾が音を立てて崩れ落ちた。
今までの攻撃で耐久値をすり減らしていた武器だが、まだもうしばらくは大丈夫だったはずだ。
それでも壊れたのは今の煙に包まれたからだろう。
「武器破壊攻撃!?」
マズイと感じた俺達は直ぐにドラゴンゾンビから距離を取り、ガスの有効範囲内から出る。
「アオさん、まずいです。武器がやられました…」
「オレもだ…」
「予備は?」
「あたしは前装備していたもう一組だけですね…」
「オレも予備は一本だけだぜ…」
結構やばい状況だね…武器破壊か…それよりマズイのは防具。
「防具の耐久値
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