第六十四話
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耳を押さえてその爆音に耐える。
見るとクゥ達も器用に自分の耳を押さえていた。
その後、ドラゴンゾンビは俺達の事を完璧に敵として見止めたようだ。
「シリカっ!結晶を使うよっ!」
「はいっ!転移っ!『フリーベン』」
アイテムストレージから取り出した転移結晶をその手に持ち、起動パスワードを唱えたシリカ。
しかし…
「え?なんで?」
「結晶無効化空間か!?」
結晶無効化空間。
その名の通り、転移結晶みたいな結晶アイテムが使えないエリアの事だ。
ドラゴンゾンビは四つの手足で立ち上がると、こちらに向かって突進してくる。
GURAAAAA
「シリカっ!避けろっ!」
「っ!」
その俺の言葉でシリカは転がるようにその突進を避ける。
ドラゴンの突進は止まらず、俺とクラインもたまらず避ける。
ドラゴンゾンビはこの部屋の唯一の出入り口まで走ると反転して扉を塞いでしまった。
「なっ!」
「こりゃ、ちょっとやばくね?」
やばいってもんじゃないだろ!
唯一の出口が塞がれてしまったんだ。それにどうやらあのドラゴンはあそこを動く気は無いらしい。
「アオさん!」
今度は後ろから駆け寄ってきたシリカが声を掛けてきた。
「…奴を倒すしかないんだろうなぁ」
「そんなっ!出来ますかね?」
「やるしかないだろう、クラインっ!クラインの仲間ならここまで来れるか?」
「くっ…ちと厳しいな。俺達もアオのアイテム効果3倍のおかげで来れたような物だしな…今から耐毒ポーションを買い溜めてくるとしても、3時間はかからぁ…一応メールしとくがな」
3時間。
それはこちらの耐毒ポーションがもたない。
「…やるしかないだろうな」
俺はアイテムストレージから耐毒ポーションを大量に取り出し、シリカ達に使用する。
「アイテム無効化じゃなくて本当に良かった。これでアイテムが無効なら確実に死にます」
「だなぁ、奴さんが動かないのも、この地形効果なら時間を掛ければこっちが勝手にくたばるのを待ってる感じか」
「く、クラインさん。縁起でもない事を言わないでください」
「わりぃ」
シリカがクラインを嗜める。
フラグっぽい事は言わないのがこのゲームが始まってからのマナーだよ?
それが死亡フラグならば尚更だ。
「あ、ちょっと!」
「グル…」
シリカの腕の中に居たリドラゾンビがもぞもぞと動き出し、その拘束から逃れた。
リドラゾンビは地面に着地すると一生懸命駆け出し、ドラゴンゾンビの方へと走っていった。
「ちょっと!危ない!」
どこにそんな俊敏性が隠されていたのか、シリカのAGIでも追いつけ
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