第六十四話
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「クラインさん。たぶん、あの子に付いて行けばいいじゃないかなって思います。なんかあたし達を誘導するみたいに時々こちらを振り返りながら先頭を進んでいますし」
「まあ、付いてってみようよ。でも油断しないで。いざとなったら転移結晶で逃げよう」
俺がそう纏めると、他の2人から否は無く、リドラゾンビの誘導にしたがって洞窟を進んだ。
敵を倒しつつ洞窟内を進むと、目の前には重厚な扉が見えてくる。
近づいて確認すると、特に鍵のようなものは無く、簡単に開きそうだった。
「グルッ…」
「これを開けれってことか」
「アオよぉ、これはなんてぇか、趣は違うがよぉ、迷宮区のボス部屋に似てねぇか?」
クラインが今までの経験からそう判断したようだ。
「確かに俺もそんな感じがしますね」
「ってこたぁ、ここのボス(迷宮区)はとっくにクリアされてっから、ネームドボスって事になるんじゃねぇか?」
確かに…
「どうします?アオさん」
行くんですか?とシリカが問いかけてきた。
むう。
いくらレベル的には格下とはいえ、ボスクラスのMobとの戦闘はリスクが高いか。
ここは引き返そうと声を掛けようとした瞬間、リドラゾンビが扉を開き、入っていってしまった。
さらに、それを追うように中に入っていくクゥとピナの二匹。
「ちょっと!ピナ、クゥちゃん!?」
あわてて回収しようとシリカまで中に入っていった。
「っ!待てよシリカっ!クライン、行くよっ!」
「お、おうよ!」
2人で駆け出したシリカ達を追いかけて部屋の中へと入った。
30メートルほど駆けただろうか。
中は思ったよりも広く、半円形をしたドームのようだった。
「シリカっ!」
「ごっ、ごめんなさいっ!」
何とかピナとクゥ、ついでにリドラゾンビを両腕に抱えたシリカが謝った…が、シリカは振りかえらずに前方を見つめている。
シリカの視線がたどり着く先には全長15メートルほどの大きさのドラゴンが伏せっていた。
「ど、ど、ど…」
シリカが余りの巨体に言葉を詰まらせる。
「ドラゴンッ!」
シリカの絶叫。
するとドラゴンはピクッとシリカの声に反応したわけではないだろうが、その首を挙げこちらを向いた。
「正確にはドラゴンゾンビだな。名前も出てる」
「そ、そんな事はどうでも良いだろっ!速く逃げようぜ?」
そうだね、この人数で当たるべきモンスターでは無い。
ドラゴンゾンビが息を吸い込んだような仕草をすると、思い切り、腐臭を撒き散らしながら鳴き声をあげた。
GURAAAAAAAAAAAA
「っ!」
「きゃっ!」
「がっ!」
直ぐに俺達は
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