進攻
[5/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
俺は耳にに神経を傾けた。
響く竜の雄叫び。これはーーー
「ーーー下から?」
まさかーーーと思い至ったその時だった。
「ベート、転進しろ!!」
フィンさんの指示が飛び、先頭のローガ、そして遅れてヒリュテ(妹)とパーティ一団が正規ルートを外れて横道に飛び込んだ。その直後のこと
「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
地面が爆発した
『〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!?』
突き上がる轟炎、そして紅蓮の衝撃波。
何もかもが一瞬で真っ赤に染まった。
爆炎による熱で眼球が乾くんじゃないかと思った。顔にも熱風が叩きつけられる。
まるで特大の地雷が炸裂したような現象。階層の床がまるごと紅炎に包まれ、パーティの通過地点上にいたモンスター達を全て呑み込み、蒸発させる。
なんと恐ろしいことか。
しかも、炎はその勢いを止めず、さらに五十一階層を突き破る。
これが狙撃……?
「……クッソ、出鱈目すぎるだろぉが……!?」
「迂回する!! 西のルートだ!!」
フィンさんの指示に従ってパーティは正規のルートを外れた広幅の通路を全力で走る。
すぐに響く大爆発。
「芋虫型を引き寄せてもいい!! リヴェリア、防護魔法を急げ!!」
「ーーー【格好木霊せよーーー心願を届けよ。森の衣よ】!」
「敵の数は!?」
「六、いや七以上!?」
足をとられるほどの振動と途方もない熱量が襲いかかる。
矢継ぎ早にフィンさんの命令が飛び、パーティ内のあちこちで声が聞こえた。
鮮明に響く竜の咆哮。階層全域を震わす爆発の連鎖。
空いた穴から瓦礫がガラガラと音をたてて崩れていく。
そして、とうとうそれが視界に入った。突き抜けてくるのは、紅蓮の大火球だった。
竜のブレス。
俺達を狙っているのはそれだった。
こうなりゃ、無理してでも戦車を……
「ラウル、避けろ!?」
「えっ?」
「ラウルさんっ!?」
その声に現実に引き戻された。
聞こえたのは悲鳴に似たレフィーヤの声。見ると、横から迫っていた太糸に狙われていたサポーターの一人を突き飛ばし、レフィーヤが腕を絡め取られていた。
捕縛され、ぐんっと隊列から引き剥がされる。
「レフィーヤ!?」
「くそっ!?」
突然のことで対処ができない。ましてや、レフィーヤまで少し遠い。動けないのだ。
レフィーヤを捕縛した蜘蛛のようなモンスターはその顎を開口させーーー燃え尽きた
膨れ上がった地面か
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ