進攻
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だった。
「のお、式。こっから何かあるのか?」
「話によると、狙撃かなんかって話だ。コルブランドも気を付けておけよ」
「あいわかった。それと今更だ。椿で構わぬよ」
「……ほんと、今する話じゃないな……」
呑気というか、なんというか
やがて、行くぞ、というフィンさんの合図でパーティは五十二階層へと進出した。のはいいんだけど……
「いきなりの全力疾走! これも狙撃とかいうやつの対策かね!」
「さてな。手前にはよくわからん」
先ほどよりも明らかに速くなった速度で五十一階層と変わらない迷路を駆け抜けていくフィンさん。どうでもよいのだな、はたしてうちの団長はこの迷路を覚えきれるのでしょうか。
「戦闘は出来るだけ回避しろ! モンスターは弾き返すだけでいい!」
先程からフィンさんの指示が絶えない。
モンスターとの遭遇率は変わっていないのだが、今回はそれを無視してつき進む。
サポーターもついていこうと必死になるなかで何かイヤーな予感を感じながらパーティに着いていく。
俺の想定してたのは、どこから狙われるかわからないなかで、全方位に注意しながら慎重に進むというものだった。だが、ふたを開けてみればどうだ? なりふり構わない全力疾走。背中から撃たれれば格好の的だ。だが、フィンさんがそんな愚作を敢行するとは思えない。
……いったい何があるというのだ
「おおっ、『ドロップアイテム』」
走りながらの迎撃で仕留めたモンスターから発生する貴重な武器素材に目を輝かせる椿。だが、拾いに行こうとする彼女をサポーターの一人が止めた。
「止まっちゃダメっす!?」
「むっ?」
何やら、かなりマジなトーンで言われている。
「何故だ? それとも、式のいう狙撃というやつのためか?」
「そのとおりっす……!?」
二人のやり取りを耳にいれつつ、俺は多だひたすらに走る。
狙撃……いったいなんなんだ。確かに狙撃は自分の死角からされるためかなり怖いが、こんなダンジョンのどこにゴ◯ゴ13さんがおられるのだろうか。
てか、狙撃なんて、【ロキ・ファミリア】じゃなかったら到底信じなかったぞ
「……ん?」
何かが響いた。
「……はて? 竜の、遠吠え?」
俺が感じた、地の底から昇ってきたかのような禍々しい雄叫び。
それは間違いなく、モンスターの頂点に君臨するものの叫喚だ。だが、そんなモンスターの王はどこにも姿が見られない。
……嫌な予感がする
「走れ! 走れぇ!!」
誰かの怒鳴り声が聞こえた。さらに速度は速くなる。
相変わらず溢れてくるモンスターを前衛が駆逐しながら進むなか、
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