五十九階層攻略前
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やで」
一握りの鍛冶師が製作できる特殊な効果のついた武器。
アイズが使用する【デスペレート】の不壊属性などもその一例だ。
それが、士はまだ作れないのだ。
「……すまんな。ほんまは、お前の【アレルヤ改】も不壊属性にしたかったんやけどな。まだ、その域には達せられずにおるんや」
「……お前の作る武器は最高の一振りだ。卑下してんじゃねえよ。らしくねえ」
「それはわかっとる。ただなぁ、今回の遠征でうちの団長自ら不壊属性の武器を五つも作りおったんや。自信もなくすわ。ほんまにワイがお前の専属でええんかってな」
火が辺りを照らすなか、士は自分の手を見て握り締めた。
不安、なのだろう。
片やLv6の第一級冒険者。片やLv3の鍛冶師。それも、まだ特殊武装の一つも作ったことがない。
文字だけ見れば、つりあっていないようにも見える。
実際、俺くらいのところまでいったなら、それこそ、士のファミリアの団長である【単眼の巨師】、椿・コルブランドが専属となってもおかしくはない。
けど、だ。
「もう一度言っとくぞ。お前の武器は最高の一振りだ。卑下してんじゃねえよ」
「…………」
「お前の気持ちも分からんわけじゃねえ。ただ、お前は、俺がまだ駆け出しだった頃にこいつなら! と思って契約結んだ鍛冶師だ。それを曲げるつもりはねえよ」
「無理しとるんちゃうか?」
「アホたれ。現にお前はLv3まで上がってきて、腕も上げてる。それにまだ俺達二〇だぜ? まだまだ先はある。お前ならそう遠くないうちに作れるだろうさ」
鍛冶のこちに関して、俺は素人と言ってもいい。
だけど、その一振りを使う担い手として、その武器がどれ程のものかと感じとることはできる。
こいつが作り直してくれた【アレルヤ改】も一級品といっても差し支えはない。
「……おおきにな」
「なんの。お前はそのハゲ頭で周りを照らしとけばいいんだよ」
「最後の最後で、何でそれをいうかなぁ!?」
ハゲやない、スキンヘッドや! といつものように返す士。
そんな様子に、思わず笑う。士も、笑う。
そんな自虐してる暇があるなら、もっと腕を磨けってな。
◆
◆
その後、食事が終わると、最後の打ち合わせが始まった。
取り仕切るのはもちろん【ロキ・ファミリア】の団長であるフィンさんだ。
ここ、五十階層から下の五十一階層からは選抜した一隊で進むことになる。残りはキャンプの防衛だ。
選ばれたのはフィンさん、リヴェリアさん、ガレスさん、ヒリュテ姉妹、ローガ、アイズ。サポータ
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