五十九階層攻略前
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う、いつもパディさんの飯食ってた俺からするとちょっとばかりな」
「ああ、あの執事さんな。確か聞いた話、ダンジョン潜っとるときでもかなりのもん作るんやろ?」
「おう。そりゃもうすげえからな、あの人」
流石えちのライフラインでえる。正直、あの人がいなくなるだけで【バルドル・ファミリア】が壊滅するんじゃないのかと思うくらいに。
……いや、全滅かな。主に、リリアさんの料理によって
「んなことより、お前は他の奴等と話さねえのか?」
「なんや自分。せっかく、一人寂しそうに食うとるお得意さんを心配して来てやったっちゅーのに」
「なるほど、ボッチなんですね分かります」
「……なんやその言葉はよう分からんけど、バカにされたっちゅーのは何となく分かったでぇ」
どっこいしょ、と俺と同い年の二十歳だというのに、おっさんくさい言葉とともに俺の隣に腰を下ろす士。
うまいわーと食事を進めていく。
「それで? なんか俺に用でもあったんだろ?」
「あー、まあそうなんやけどな。大したことやない。解散したあと、こっちから武器の整備に行くからって伝えたかっただけや」
「……夜這い?」
「シバくぞワレェ」
ふざけた冗談だったのだが、割りとマジで殺意のこもった視線を向けられた。
装着しているバンダナと火の光によって目の部分が影になっているのでなおさら怖い。
冗談冗談、と苦笑いで士を落ち着かせる。
「深層入ってからは【アレルヤ改】も使ってたやろ? その整備もせなあかんやろ」
「悪いな。頼むぜ」
「任しとき。……あとは、あの三本も形だけでもな」
視線だけを動かして誰もこちらの話を聞いていないのを確認した士がボソリと小声で呟いた。
あの三本、とはやはり【物干し竿】、【破魔の紅薔薇】、【必滅の黄薔薇】のことだろう。
「あんな異常なもん、うちの団長が知ったら大変なことになるさかいな」
「……つくづく心配かけて悪いな」
「まあな。なんか団長のこと裏切ってるような気もするわ」
「……すまん」
「ええ。謝るなや。それに、こっちは感謝してんねん」
プハァッ! とスープを飲み干した士は
今度は干し肉にかじりつき続ける。
「まだLv1やった頃、声かけてくれたんはお前や。ここまで来れたんもお前のおかげや思うとる。ワイには、才能なんてないのに、それでも頼ってくれるお前には返しきれん恩もあるさかいな」
「おいおい、急に自虐なんか始めんなよ。それに、才能がないなんて思ったことは一度もねえぞ?」
「第一級特殊武装」
「…………」
「それがまだ作れねぇなら、まだまだってこと
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