東方
古代編
第三話
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「まあ、そんな事よりもあれは何だい?」
「あれは義姉さんの修行さ」
義姉さんの修行の合間に作った最高傑作。光線銃が主流になってるこの都市で原始的な武器を使う義姉さんの指導を受けた故に出来た一品。
「名前はあるのかい?」
「今の所無銘だ」
「僕が付けてあげようか?“ライトボウ”とか“クロスボウ”はどうだい?」
「どこのゲームの初期装備だよ」
「ちょっとした冗談さ。それで僕の分は?」
「ないよ」
「え?」
「え?」
何言ってるのこの人外は?
「ないの?」
「ないよ」
「何それ怖い」
「お前に武器が必要とかどの口が言ってるんだ?」
「バレた?」
可愛く舌出してあどけなさを演出しようとする安心院さんマジ鬼っす。
「……それで?結局これからどうするの?」
「俺は月に行かない。“穢れ”を取り払う為に玉兎の地を侵攻するなんてナンセンスで醜い。“穢れ”を失えば欲を持てず、変化を失い、個を失う。それ即ち個の死と同義」
「人間ってのは欲があるからこそ進歩する。だけど、この都市は発展しすぎた。早すぎた発展は進歩を妨害し、怠惰へと誘う」
「“穢れ”を取り払うを取り払う事自体が欲なのに気づいてない」
「……滑稽だね。僕はここまで哀れな人間を見た事はないね」
「義姉さんにそこまでの意図はないと思うけどね。ただ純粋に今の人類の危機を救おうとしているだけ」
その純粋さを上層部に利用されてるだけどね。やっぱり月に行かないと覚醒しないか。
「明日には地球を出る」
「それは良い事を聞いたよ。早速伝えてくるね」
「人間と妖怪が争う混乱の中、俺は行方を眩まそう」
「僕はせいぜい見学するよ。人間と妖怪の戦いを」
なんかシリアスにそれっぽい事言って纏める俺達。
「……なあ」
「……何も言っちゃダメだぜ」
「やっぱり普通に会話してた方が執筆速度上がるって」
「メタ発言禁止!」
「俺らの存在自体がメタだよな」
「それはどうしようもないんだぜ」
何時何処でどうやって誕生するのか分からない転生者達を一瞬で抹殺する手段は安心院なじみにもないようだ。俺にもないんだけど。
「それじゃ僕はそろそろ帰るけど……」
「ん?」
「三年も一緒に会話してるのに君の名前を知らないんだ。教えてくれるかい?」
「ああ、そうだったか。俺の名は八意永巡
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