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ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第7章 第5次イゼルローン攻略戦へ 中編 出陣前のひととき
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それで打った手がこれだったんだ。
敵の狙いは同盟軍の任務群じゃなくて我々空戦飛行中隊だったんだ。
激戦になった。
俺は最初の一撃目で1機を撃墜し、小隊でチーム戦術で小隊では7機俺自身2機を撃墜した。
しかし、敵は自分たちの何倍もいた。
結局、空戦が始まって20分後にはマーク大尉以下9機のスパルタニアンしか残ってなかったんだ。
それで、大尉が俺に
「士官で生き残ってるのは俺とおまえだけだ。
俺がここで最後まで食い止める。先に離脱しろ!」
と言ってきたのだ。
俺はもちろん抵抗した。
そうしたら、大尉は
「俺のスパルタニアンはもう持たん。
母艦までいけない。
先に行け!命令だ!」
と言って、そのまま通信を切られてしまった。
俺は残った自分を含めた8機のスパルタニアンをまとめて敵の追撃を振り切って小惑星群で、待機し敵をやり過ごした。
俺たちは空母に帰還したが、30機いた中隊がたったの8機。しかも、指揮官は士官学校出たての撃墜数もまだ4機の少尉なんて来た日には護衛される船団側としてもため息の嫌味の一つや二つが聞こえてきてもおかしくなかった。」
と言って、一回話を切ったステファンはウェイターの女性兵士に紅茶を頼んだ。
彼は、続ける
「俺が一人で空母の食堂にいると一人の中佐が入ってきた。
その中佐は第99任務機動隊の指揮官でエドウィン・フィッシャー中佐といった。
影の薄い人だったが、士官学校出ではなく下士官たたき上げの艦隊運営のベテラン中のベテランだった。
俺が、紅茶を一人で飲んでいると中佐は
「マーク大尉のことは残念だった。」
と話し始めて、現在の飛行中隊の現有戦力、戦力としての評価、敵に強襲された時の状況等を詳しく聞かれた。
俺は中佐に
「あの忌々しい敵の艦隊をつぶすことはできないのでしょうか?
マーク大尉の仇を打たせてください。」
すると中佐は俺の肩に手を置き
「その気持ちは痛いほどわかる。
だがな、少尉。今は耐えろ。」
とおっしゃった。
その時は、なんなんだ。
と思ったが、冷静に考えれば我々の空戦兵力や機動隊兵力から考えれば到底勝てる敵ではなかったのだ。」
と、ステファンは言った。
今から考えれば、あんなに物静かなフィッシャー中将がそんなことを言ったなんてあまりにも想像しにくいことであった。
ステファンは
「その2日後、俺は中隊長代理になりさらに、中尉に昇進した。
早く中尉に昇進したいなーなんて思ってたが、そんな昇進の仕方は到底受け入れられるものではなかった。
それから、5日間くらいは任務機動隊直掩任務を淡々とこなしていた。
しかし、いきなり転機は訪れた。
付近を航行していた味方の輸送艦が帝国軍の空戦飛行中隊によって拿捕されそうだとの情報を得て我々はその場に急行した。
スパ
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