第7章 第5次イゼルローン攻略戦へ 中編 出陣前のひととき
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自称情報通のステファンが口を開く
「聞いたか?ついこの間のイゼルローン方面即応艦隊でわれらが同期のカレン・モートン中尉のこと。」
私は
「知らないねー
あんまり聞いたことない。ついこの間エダがフェザーンに駐在武官付で派遣されたことくらいしか知らんなー」
スーンは
「もしかして、2期上のミッシェル少佐に振られたとか?」
リスナーも「わかんないですねー」
ステファンが紅茶をがぶ飲みしながら
「まったく、お前らは相変わらず情報に疎いな
実は、カレン中尉は明日2階級特進するらしいぞ。」
3人とも「は?」という感じであった
ステファンは
「戦死とかじゃなくて、どうやらイゼルローン宙域後方の補給線哨戒での小規模戦でミサイル艇5艇の指揮官を彼女はやっていたらしいんだがどうやら奇襲攻撃で敵の戦艦3隻を含む12隻を撃沈したんだって。」
私は彼女らしいな。なんて思わず思ってしまった。
「確かに、士官学校での戦術シュミレーターでも奇襲作戦を好んで使っていたよな。」とスーン。
「そういうお前は遠距離砲撃でちまちま戦力を削り取るのが好きだったよね。」と私。
リスナーは「私はビュコック中将のように半球体に展開して一点の集中砲火で分断、突入、確固撃破ですかね。」
「確かにそれもいいが、艦隊戦は艦載機・駆逐艦・ミサイル艇による近距離一撃離脱に限るかな。ただ、その確固撃破はいいね。」とステファン。
などなど、戦術の話から同期生の活躍の話までいろいろな話が飛び交った。
スーンが
「ステファン、ところで君ってなんで大尉になったんだっけ?」
するとステファンは少々苦そうな顔をしながら始めた。
「俺が少尉でまだ小隊長だったときの話だ。
俺の所属していた空母「アムルタート」の第1空戦飛行中隊はα88衛星群の補給線哨戒任務のために第99任務機動隊の空戦飛行隊として護衛空母「ケルティック」に派遣されていたんだ。
アルレスハイム星域に敵が侵入してからこの補給線にも帝国軍がうろちょろしていたんだ。
第1空戦飛行中隊指揮官であったマーク・キャンベル大尉は非常に優秀な指揮官だった。
俺は今でも尊敬している。
俺が初陣の時にも常に俺の隣を飛んで小隊の指揮をサポートしてくれた。
だいたい指揮が慣れてきたときに俺はワルキューレを2機撃墜した。
大尉はめちゃくちゃほめてくれたけど、その時の欠点もいろいろと教えてくれた。
とにかく教官としても指揮官としても最高の人だった。
あるとき、俺たちが哨戒飛行していた時だった。
偵察機のレーダー波に帝国軍の1個群程度の艦隊が写ったんだ。
もちろん勝ち目がないから本部へ連絡して撤退しようとした。
しかし、敵は我々の退路に2個ワルキューレ空戦飛行隊を配置して待ち構えていたんだ。
敵は相当我々に悩まされていたはずだ
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