第十五話:買い物への道中
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ついた。百点をやる」
「嬉しくないぃぃん……」
肩を、頭を、気分を落として落ち込む楓子を、俺もマリスも当然の如く無視し、立ち止まった隙に置いて行こうとするが、ハッとなってすぐさま追いついてきた。
……チッ。
「今確実に言える事があるとすれば、順番的には弱い方から戦いたい、って事ぐらいだ」
いの一番に取り押さえて無効化したいのは、笑い飛ばせず洒落にならない、強盗的犯罪をも起こしやがった女神の聖天使ではあるが、他の【A.N.G】とて放置できないのも事実。
特にキケロクロット、そしてナーシェは注意して置くにこした事はないだろう。
……キケロクロットは、確かに阿呆な犯行をしていたが、アレで終わりとも限らないしな。
「うんうん兄ちゃんは分かってるよ! 弱い方から倒せば物語的に美しい! それを分かってるからだよね!」
「……阿呆。倒しやすい、そして経験を積むにピッタリだからだ」
行き成り化物クラスと……いや【A.N.G】全員化け物なんだが、できれば最初で倒されてしまわぬよう、最弱であるマリスに近しい者―――わだつみの海妃・アイシャリアから相手取りたい。
マリス自身にどれだけ戦闘経験があるかも分からないし、相手も生前どんな生活をしていたか分からない。
もし戦国時代から逃げ回っている者がいたとしたら、文武両道に至っても可笑しくはないだろう。
同人誌の事だって、幽霊として彷徨っていれば情報を得る事が出来るし、己の時代に無ければ作りたいとか、興味を持ったとか、そんな事があっても到底不思議じゃあない。
ちなみに強さの順では、メープル>ロザリンド>ナーシェ>キケロクロット>アイシャリア>マリシエル……となっており、紅薔薇の剣姫・ロザリンドだって今はまだ会いたくない敵だ。
……余談だが、わだつみと海妃で意味が被っている。
此処もまた、あいつのホンマものの黒歴史ポイントか。
如何にか手段を講じてわだつみの海妃を、此方へおびき寄せる事が出来れば物怪の幸いだが、流石にそこまで便利な情報が『黒歴史ノート』に載っているとは思えない。
あっても胡乱気な手段が殆どかもしれん。
「そうだ兄ちゃん! アタシ、ウッカリしてた! 大事なこと決めなきゃオデコはらめえええェェ!?」
一歩大股で踏み出して、背後に居た楓子のタックルを回避し、腕が下がったのを見計らって肘鉄を額へ。見事に白っぽい煙が上がってくれた。
「なによぉっ、兄妹間の軽いスキンシップじゃんか。久しぶりに一緒のお出かけなんだし〜」
「黙れ、鬱陶しい」
「もうー、照れなくても良いじゃんカブラッ!!」
諦め悪く突貫してきた奴を、
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