第十五話:買い物への道中
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れに相手は無表情が売りの殺戮の天使・マリシエル。まして中身が人間では無く、死神に分類される存在だと来た。
例え初対面であろうと、相手が情緒豊かな人間であれば何とかなったかもしれない……が、無愛想且つ人では無いマリスと想いを重ねるなんざ、むこう何年経とうが出来そうにも無いだろうが。
オマケとして付け加えれば、そもそもの《婚約》事態が曖昧且つ不明瞭な状態にあり、仮に想いを一つに出来たとしても、《俺嫁力》とかいう馬鹿げたアホらしいネーミングの力が使えるかは、此方では調べようもなく分からない。
「不確かな力に頼るより……別方向から【A.N.G】を捕まえる作戦を練る。その為の手段はあるからな」
マリスに協力する事自体は、俺のコレからもあり、また此処まで足を突っ込んでしまって戻り切れなくなった事もありで、もう拒否自体を諦めた方がいいだろう。
しかし協力すると言っても、《婚約者》の力だけしか添えられる手が無い、と決めつけるのは早計にも程がある。
攻略方法を《俺嫁力》とやらに全部任せて頼りきりになるよりかは、確実性を期すためもっと別の手段が存在しているのだから、そちらに頼った方が手っ取り早い。
……その為に、あのクソ分厚いノートを―――
「こいつがな」
妹の辞書もかくやの黒歴史ノートを、ナップザックに入れて持ってきているのだから。
「マリス、今一度確認するが……【A.N.G】こいつに書かれている設定通りなんだな?」
「……そう」
「なら此処から弱点や盲点を導き出し、攻略法を考える事も出来るだろうが」
「おお! 兄ちゃん頭いいね!」
寧ろこの程度の事を、何でいの一番に著者であるお前が思いつかないのか、俺はUMAレベルで不思議でならないんだが……。
俺が何のために先まで文字の海に目を走らせていたのか、その理由をコイツはとんと知る気が無いらしい。
相変わらず記憶容量や、頭脳を何に使っているのか不思議でならない妹を横目で見てから、ノートを開いた。
「……案の定、とでも言うべきか」
大雑把に確認した時から一部一部で兆候はあり、粗方こうなのだろうと予想は着いていたのだが、やはり焦げた部分は広範囲に広がっており、表紙側近くの方に書かれたマリシエルの項は
『氷の■■を持つ■■■■天使。■■■黒■をまとい、髪■青色■■セ毛、一本■■■■い■。一番弱い■■使■ メー■ル■■■に戦■て■■■ 冷酷無比■■もの■■■殺■■■気が済■■■。クー■■■■ティー■ そ■■■の能■は■■■戮■力■特■■■いる。』
―――と、ほぼ焦げていて読めない。
反面、裏表紙近くに書かれたロザリンドの項は、
『凛■しく麗しい美少女堕天使。炎のよう
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