第三十二話 加藤中尉!作者は折り鶴を折れない!!その十六
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「何でここで、とは思ってもな」
「料理の腕自体はいいな」
「じゃあこれ食ってから」
「最後の一本だぜ」
「ルールに試合中に料理するなとは書いてないしな」
「何か食うなともな」
ここでもルールの盲点を衝いているのだ。
「それじゃあな」
「やるか、兄貴」
「ああ、ここでな」
「決めるぜ」
二人の目が光った、そして。
二人はガスコンロの火を最大にした、すると。
ガスコンロの火がだ、一際大きくなったが。
その火をだ、二人は。
取り出した扇でだ、瞬と加藤の方に仰いだのだった。
「必殺ファイアータイフーン!」62
「これが俺達の決め手だ!」
「さあ、これでな!」
「俺達の勝利は決まりだ!」
その煽られた火が。
瞬と加藤の完成した折り紙、何とそれぞれ安土城と大阪城の天守閣を作っていたがそれを燃やしてしまった。
「なっ、焼きやがった!」
「他人の折り紙を焼くだと!」
「何て汚い奴等だ!」
「卑怯にも程があるだろ!」
「あっ、火がそっちにいったか」
「これは事故だな」
しかし二人は棒読みでとぼけるだけだった。
「まあ料理をしてたら火には気をつけないとな」
「周りもな」
「いや、それは残念だな」
「不慮の事故が起こるなんてな」
「仕方ない事故だぜ」
「紙は火に弱いしな」
棒読みで言い続けるのだった、そして。
二人は出来た野菜炒めを食べてからだ、一瞬で折った。その折ったものとは。
「どうだ、ベルサイユ宮殿!」
「俺はサンスーシー!」
どうして折ったとは聞いてはいけない。
「俺達の最高傑作どうだ!」
「しかも相手はもう紙がねえな!」
このことも言うのだった。
「しかし俺達は出来た!」
「これは大きいよな!」
こう高らかに言う。.
「これこそがな!」
「俺達の勝利を決定付けたものだ!」
「戦いの前の料理!」
「これは最高だぜ!」
「くそっ、こいつ等」
「何処まで汚い真似するんだ」
「相手の折り紙を火で焼くとは」
「犬畜生にも劣る奴等だ」
「その言葉犬畜生に謝罪と賠償しろ」
お互いに言い合う、しかし。
二人を汚物を見る目で見つつだ、観客の人達は忌々しげに言った。
「このゴミ共」
「今回は特に汚いな」
「野菜炒めは美味そうなのにな」
「こいつ等は臭え、臭いぜ!」
「汚物の匂いがプンプンしやがるぜ!」
スピードワゴンの様にも言う。
「さっさと石仮面被ってお日様の下に出ろ!」
「そうしろ!」
「うっせえ、そんなことしたら死ぬだろ!」
「悪のカリスマでも死ぬだろ!」
だから昼に外に出ることは決してなかった。
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