第四章 誓約の水精霊
第七話 誓い
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すことを条件に、水位を元に戻すことを了承させた」
「えっ!」
「……そう」
驚愕の声を上げるキュルケの横では、タバサが小さく頷いく。しかし、小さく吐いた息には、確かに安堵している様を感じられた。そのことに気付き、士郎の顔に浮かぶ笑顔が深くなる。士郎の視線に気付いたタバサは、その無表情の顔を微かにむっと、ばかりに顰めると、また膝で顔を隠した。
「問題が解決したのは分かったんだけど。シロウ達はどうしてここにいるのよ?」
「ん? あ〜……ちょっと事情があってな」
「事情? 何なのそれ?」
士郎と戦わないでいいと分かり、気が楽になったキュルケは、士郎達がここに理由を聞いてみると、士郎達は微妙な表情を浮かべ互いに顔を見合わせた。そんな士郎達の様子に、キュルケが再度問いただそうとした瞬間……馬車の中から、ロープでぐるぐる巻きにされたギーシュが飛び出してきた。
「モンモッ! モンモッ!! モンモランシーッ!!!」
「な、何あれっ?!」
「……ッ!」
「ヒィッ!!」
「またかい」
「もう目が覚めたの」
「五月蝿いですね。これなら、猿轡もつけとけば良かったですね」
「シエスタ……流石にそれは」
慌てた様子で立ち上がったキュルケは、ぐるぐる巻きのギーシュを指差し驚愕の声を上げる。タバサは怯えたように、座った状態で後ずさっている。手に持ったお椀を落とし、慌てて士郎の後ろにまわるモンモランシー。呆れ混じりの顔を向けるルイズとロングビル。シエスタは頬に手を当てニッコリと笑いながらも、さらりと怖いことを言う。それを宥めながら士郎は立ち上がると、地面に蠢く蓑虫――ギーシュに近づいていく。
「モンモラッ! モンモラッ! モンモランシッ! モンッ! モンッ! モンモランッシッー!!!」「ヒィーッ!!!」
地面の上をのたうち回りながら迫ってくるギーシュに、飛び上がって逃げ出すモンモランシー。士郎は足元まできたギーシュ持ち上げる。ぐにぐにと蠢くギーシュに、生理的嫌悪感を感じ、口元をヒクつかせながらも、首に腕を回しキュッと絞める。意識を失ったギーシュを、無造作に士郎は馬車の中に放り込む。そして、背後で固まっているキュルケ達に、苦笑いを浮かべた顔を肩越しに向ける。
「こういうことだ」
「どう言うことよ?」
キュルケが顔をヒクつかせながら聞き返すと、ルイズが頭を抱え座り込むモンモランシーを指差す。
「モンモランシーがギーシュに惚れ薬飲ませたのよ」
「惚れ薬って……飲んだらあんな風になるの?」
「ギーシュが特別じゃないのかい?」
呆れたような目を、キュルケはギーシュが放り込まれた馬車に向ける。それに答えるように、ロングビルが肩をすくめ、同じく呆れた様な目を馬車に向けた。
「で、だ
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