第1章:平穏にさよなら
第9話「お見舞い」
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グスさんがそう言う。
「...あたしは、少し心の整理がついていません。すずかは、すずかなりの事情があったから早い事心の整理がついたみたいですけど、あたしには...。」
「...そうか...。」
親友同士であろう月村さんが相手ならともかく、そこまで親しくなっていない緋雪が相手ならそれも仕方ないだろう。
「...緋雪が、怖く見えるかい?」
「っ、いえ!それは...ないです。」
緋雪が怖いかと聞くと否と答える。
「確かに、昨日のあの子は恐ろしく見えました。...だけど、それ以上に....哀しそうに、見えたんです...。まるで、大事な何かをなくしてしまったような...。」
「っ、私もです!」
「...そう、か...。」
“哀しそう”...か。二人にも、そう見えたのか...。おそらく、聖奈さんにもそう見えたんだろうな...。
“狂う”と言う事には、何かしらの原因がある事が多い。...それも、大事な人を亡くした場合のものが。
「ただ、哀しそうにしてるのが、辛くて....。ただ、あの子の事は怖く思いません。」
「なるほどね...。」
優しい子達だ。ただのクラスメイトの事を、ここまで心配するなんて。
「.....心の整理は、まだつかなくてもいいんじゃないか?」
「えっ?」
僕の言葉に間の抜けた返事をするバニングスさん。
「強制はしないけどさ、これから緋雪と関わって、じっくりと心の整理をつけていけばいいさ。」
「....はいっ!」
元気よく返事を返してくれた。...うん。これなら大丈夫だな。
「(緋雪の方は、何を話しているのかな?)」
どちらも転生者だったりするから、それ関係の話だったりして...。
=司side=
「...それで、話とは?」
志導君の妹さんの部屋に案内され、改めて彼女がそう聞いてくる。
「...単刀直入に聞くよ。」
これは、一応推測でしかない。だから、違ったら変な目で見られるだけだけど、どうしても聞きたかった。
「...志導緋雪さん。貴女、転生者?」
今も生えている彼女の羽には見覚えがある。私が前世で知っていたとある同人作品のキャラクターの羽とそっくりなのだ。吸血鬼と言う設定の部分も。さらには、昨日使っていたデバイスの杖形態と、魔力の大剣。ますますそのキャラクターと同じなのだ。
「...なんの事ですか?」
「東方project、東方紅魔郷、フランドール・スカーレット。これらに聞き覚えがあると思うのだけれど。」
いつもと違って、私は緊張した面持ちで言う。
「....
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