第六十三話
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しておいた方がスムーズに行くことが多いからだ。
「ああ、武具を作って欲しいんだっけ?俺は別に良いんだけどな、…分かっているんだよな?」
その問いかけに俺が口を開くより速く声を出したクラインが話し始める。
「すまねぇ。オレはあんたら(ネカマ達)を見捨てた側だ、頼める義理はねぇのかもしれないけれど、信頼の置ける武具職人は中々めぐり合えるものじゃねぇからな…アオの奴の装備を見て、な」
一気に少々まくし立てるように一息で謝ったクライン。
「いや、あの当時は皆必死だったさ。それにあんただけが見捨てたわけじゃない。それに拾ってくれる奴も居たからな」
団長の事だろう。
「そうか…」
なんかしんみりしているが、どうやら話し自体は良いほうで着いたらしい。
素材を渡し、若干高いようだが、適正値段で鋳造してくれるようだ。
「ふっふっふ。腕が鳴るぜっ!ツキ、ちょっと手伝ってくれ」
そう言いつつ武器屋の奥にある工房の方へと進んでいく。
途中呼ばれて合流したツキとなにやら話し合った後、スキルを行使して作り上げた。
一時間ほど経っただろうか。
狩りから帰ってきたSOS団の面々も、クラインを見止めると少々気後れしながら話しかけてきたが、クラインの生来のひとを惹きつける力というか、その人柄で誰もが談笑し、笑いあっている。
この辺りのコミュニケーション能力はさすがに一つのギルドのリーダーか。
ソロ思考攻略ギルド『風林火山』のギルドマスターであるクライン。
個々の技能を引き上げ、攻略に当たると言う感じで有るらしい。
そんな感じなので、生産職のギルメンは居なかったそうだ。
その為にフリーの生産職のプレイヤーとの間に金銭トラブルが付き纏うとぼやいていたっけ。
その為に今回の紹介となるのだが、彼らも彼らで顧客は欲しいだろうし、クラインも常識的な対応をしているから、問題は無いのではなかろうか?
俺も何回か誘われたのだけれど、今までつかず離れずでうまくやって来ていた感じもあったから何となくギルドに入ってはいなかった。
「出来たぞ、自信作だ」
「お、本当か。わりぃな」
ヴィータが工房から出てきた所で談笑が終了し、品物を受け取るクライン。
「早速装備してみてくれ」
「おうよっ!」
クラインは右手の人差し指を一文字に振り下ろし、ウィンドウを開くと装備タブを開いて装備を更新する。
胸を覆う漆黒の皮鎧、ベルトを多くあしらった黒色のボトム。
上半身と下半身で分かれた真紅のコート。
その格好は歴戦の戦士を思わせる。
「かっこいいじゃねぇか!これは中々のものだぜ?製作者の魂が伝わってくるぜ」
クラインはべた褒めだ。
確かにカッ
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