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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico36天空城レンアオム〜Land of a Decisive Battle〜
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うが。真っ向からその手を叩き潰す」

拳を強く作ったシュヴァリエルは、「マイスターは負けないもんね、絶対に!」希望を諦めていないアイリを見て鼻で笑った。当然「何が可笑しいの!?」アイリは怒る。アイリは信じて待っていた。自分を助けに来てくれるその日を。そして最も敬愛するマイスター・・・ルシリオンや、かつての家族だったシグナムら守護騎士の元へ帰ることが出来る日を。それを笑われたのだから仕方のないことだ。

「いや別に・・・。あぁ、そうだ、アイリ。お前、俺とユニゾンしろ」

「・・・・・・・・・はぁ!?」

「そんなに驚くことか?」

「あ、当たり前だよね! アイリと融合!? 正気!?」

シュヴァリエルの命令にアイリが、信じられない、という風に驚愕する。それでも「当たり前だ。思考回路にバグは無い。俺は、正気だ」と、シュヴァリエルはその考えを改めようとはしない。

「融合事故って知ってるよね? シュヴァリエル」

「融合騎が融合した騎士の意識を乗っ取るっていうあれだろ」

「アイリ。マイスターのことが大好き、愛してる。そんなマイスターとの戦いで、アイリがシュヴァリエルの味方になると思うわけ?」

「おいおい。奴と一緒に居た時間は1年も無いんだろ? 俺とお前の関係はベルカ崩壊時からだ。ちょっとくらいは俺の事を大事に思ってくれないわけ?」

シュヴァリエルは真っ直ぐアイリの目を見てそう訊いた。共に過ごした時間が1年と満たないルシリオンより、何百年と共に居る自分に情があるだろう、と。

「・・・そうだね。あなたは野蛮で乱暴で、紳士には程遠過ぎるけど・・・でも、好感は持ってるよ。あなたの言う通りね」

何かと悪態を吐き合う間柄だったアイリとシュヴァリエル。関係としては良好な部類に入ることだろう。それでも「けど。あなたとマイスターとの好感度の差は、何があっても覆らないの」アイリにとって一番の特別は、ルシリオンなのだ。

「マイスターはね。アイリにたくさんの初めてをくれたのね。初めてのアイリだけの名前。初めての家族。初めての友達。初めての温かな暮らし。初めての恋。初めての悲しい別れ、初めての嬉しい再会。・・・みんな、アイリにとって大事な初めて。・・・でももし、マイスターより先にシュヴァリエルに会ってたら、アイリは身も心もあなたやリンドヴルムに捧げてたかもね」

頬をピンク色に染めてテレ笑いのような笑顔を浮かべるアイリ。シュヴァリエルは「そうかい。・・・それじゃあ、お前に新しい初めてをやるよ。好きな奴との永遠の別れってやつを、な」と、口端をつり上げて笑った。

「最悪だね、そんな初めて」

「俺の中っていう特等席で見せてやるよ。神器王の死に様を」

「アイリと融合したこと、後悔しないように気を付けてよね」

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