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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico36天空城レンアオム〜Land of a Decisive Battle〜
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へんって判る。ルシル君がどこか遠いところへ行ってしまうような・・・そんな不安がわたしを襲ってきた。

「ルシル君・・・!」

ルシル君の制服の袖を掴む。ルシル君がどこにも行かへんように、わたしの側に繋ぎ止めておきたいために。するとルシル君は「ん? はやて、どうした?」いつも通りの、わたしの大好きな微笑みを向けてくれた。顔が一気に熱くなる。それと同時に「ううん。なんでもあらへんよ♪」嬉しさもいっぱいになって不安が消えたから、微笑み返しつつルシル君の袖から手を離す。

「で、だ。カートリッジシステム搭載のデバイス持ちじゃない魔導師・騎士には、・・・コレを渡しておく。我が手に携えしは確かなる幻想」

2つのケースの隣にいくつものカードホルダーが現れた。カード組になるわたしは「コレはなんなん?」って指さして訊いてみた。

「対神器の切り札だよ。神器の能力を抑え込み、なおかつ神秘を封じる札だ。使い方はこうだ。ホルダーから札を出し、投げる」

実際にホルダーからお札1枚を取り出して投げる仕草をしたルシル君。アリシアちゃんが「どうしたの、そのお札」って質問。返ってきたのは「造った」の一言だけ。わたしらが呆けると、「あれ、言ってなかったか? 俺は、神器を造れるんだ」そう言って自慢げに笑った。
話を聴けば、ルシル君のご先祖様には神器作成スキルを持ってる人が居ったらしくて、ルシル君はそのスキルも継承してるとの事。そやけどやっぱり材料の問題や、ルシル君自身の魔力・神秘の消費が著しいから多用は出来ひんらしい。

「一度投げれば後は勝手に神器へ向かって飛んでくれる、追尾機能を付けておいた。迎撃される場合もあるが、神器に当たればその能力を封じられるようになるから、対神器戦はかなり楽になると思う。もっと早く渡したかったが、この枚数と対神器効果だからな。作り終えるのにこの今まで掛かってしまった」

そう謝るルシル君やったけど、時間を掛けた分だけのアイテムを造ってくれたことにみんな感謝してる。わたしもホルダーを受け取って、制服のスカートのベルトに引っかけた。それからフィレス二尉が戻ってくるまでわたしらはリンドヴルムとどう戦うかの作戦を考えた。神器を所有する兵を見つけたら連携して、神器封じのお札で神器を封印、そんでバインドで拘束。問題はハート2やけど、今度はルシル君以外のみんなが一緒に戦うから、きっと大丈夫や。

「みんな、お待たせ。艦の手続きも、応援メンバーの選出も、神器の詰め込みも無事に終わったわ。さ。移動、移動」

手続きを終えて戻ってきたフィレス二尉の指示に「了解!」敬礼して、待機室を出た。ドック横の廊下を歩く中、わたしらが乗艦する次元航行艦が窓ガラス越しに見る。フィレス二尉から聞いた話やとアースラの同型艦で、巡航L級3番艦、艦名はジャスミン。
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