Fate/stay night
1113話
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」
左手を魔術刻印とやらで輝かせながら尋ねる凛に、衛宮もようやく現在の状況が危険だと判断したのだろう。周囲をキョロキョロと見回し、次第に顔が引き攣っていく。
「と、遠坂?」
「あんたにフラフラされると、こっちの神経が保たないのよ。だから……衛宮君。何も殺すとは言わないわ。けど、聖杯戦争に参加した以上、腕の1本や2本は覚悟してるわよね?」
ジリジリと後退る衛宮を見ながら、凛は魔術刻印の浮き上がっている左手を向け……
「ま、待て! 待ってくれ遠坂! 俺は遠坂と争う気は……」
「問答無用!」
そう叫ぶと同時に、ガガガガガガガガッという音が聞こえてきた。
音の正体は、凛の放つガンド。
本来であれば相手を病気にするような魔術だそうだが、凛のガンドは1発1発がコンクリートを砕くだけの威力を有している。
まさにガンド・マシンガンとでも呼ぶべき光景。
もっとも、間一髪でそれを回避して逃げ切った衛宮も予想外に運動神経がいい。
『凛、手伝いは?』
『こんなヘッポコ相手に、いらないわよ! ……って言いたいけど、ここで下手に手を抜いて逃げられちゃ堪ったもんじゃないわ。お願い』
へぇ。てっきり手を出すなとか言われるかと思ったけど……これが生き残りを懸けた戦争だってのを忘れてないようで何よりだ。
「なら、衛宮には退場して貰おうか」
その場で地面を蹴り、衛宮の後を追いかけている凛を一気に追い抜き、そのままガンドの雨の中を縫うように通り過ぎ、一気に逃げている衛宮の後ろへと迫る。
「なっ! ズルいぞ遠坂!」
そんな声が聞こえたが、残念ながらこれは戦争なんでな。凛に免じて命だけは奪わないでやるから、大人しく……
「腕を寄越せ!」
そう告げ、手刀を衛宮の右肩向けて振り下ろそうとした、その時。
「セイバーッ!」
衛宮の叫ぶ声と同時に令呪が光り、それを見て取った俺は反射的に後方へと跳躍する。
その選択が正しかったことは、一瞬前まで俺のいた場所に見えない剣を振り下ろしているセイバーの姿を見れば明らかだった。
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