Fate/stay night
1113話
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どく振られてから部活に来たんだけど、下級生……それも男に当たって大変だったよ。それでかなり激しい言い争いになってしまったけど」
溜息を吐く美綴は、思い切り疲れきっているように見えた。
それも、肉体的な疲労ではなく精神的な疲労。
「大丈夫か?」
「うん? ああ、大丈夫大丈夫。アークにも心配掛けてしまったな。ちょっと先に行ってるよ。少しゆっくりしたいしね」
そう告げ、去って行く美綴。
凛は何だかんだとそんな美綴を心配そうに見送っていた。
「あのワカメ、もっとへこませておくべきだったか」
心配そうな凛の隣で呟くと、凛は難しい顔で首を横に振る。
「慎二はプライドだけは高いのよ。で、何か気に入らない事があると、自分より立場の弱い相手にそれをぶつけるの。……参ったわね。昨日は部活をサボってたのに、まさかあれから部活に行くとは思わなかったわ。弓道部には悪い事をしちゃったわね」
「けど、どのみちいつかははっきりとさせておかなきゃいけなかった事に変わりはないんだろ? ならその辺はしょうがないと……おい?」
視界の中に入って来た光景に、思わず凛との会話を中断する。
それを疑問に思ったのだろう。凛もまた、俺の視線を追い……思わずといった様子でその動きを止める。
……そう、視線の先にいる衛宮の姿を目にして。
「なぁ? 俺の見間違いか?」
「いえ、見間違いなんかじゃかないわ」
俺の疑問に、感情を押し殺したような表情を浮かべて告げる凛。
『もしかして、セイバーが護衛をしているとか?』
『それもないわね。ランサーやライダーみたいに霊体化出来るならともかく、セイバーはあんたみたいに受肉してるし』
聖杯戦争関係の事なので俺と凛が念話で話していると、やがて衛宮も俺達に気が付いたのだろう。笑みを浮かべて近づいてくる。
……そう。全くなんの警戒もなく。
「おはよう、遠坂。アークも」
「っ!?」
更には、そんな風に朝の挨拶までもしてくる。
凛としても、そんな衛宮の行動に息を呑み、次の瞬間には眦を吊り上げて目の前で呑気に笑っている男を睨み付ける。
「……行くわよ」
だが結局、何を話すでもなくそのまま衛宮を無視し、俺を引き連れるようにして教室へと向かう。
そんな俺達の背後では、衛宮が凛に無視されたのにどこかショックを受けたような表情を浮かべていた。
『凛、どうするんだ?』
『どうするって、決まってるでしょ? 聖杯戦争が始まっている時に、サーヴァントを連れずに1人だけでノコノコ出歩くような奴よ? 今日の放課後にでもとっとと退場して貰うわ』
『そこまで待たなくても、やるつもりならさっさと片付けるが?』
『駄目よ。幾ら衛宮君でも、アークエネミーに襲われたら
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