Fate/stay night
1112話
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のか?
「じゃ、取りあえず家に帰るか。俺も腹が減った事だし、食事にしよう」
「……食事にしようって、どうせ私が作るんでしょ? 毎回毎回マスターに食事の用意をさせるってのは、どうなのよ?」
「受肉しているんだから、しょうがないだろ。それに食ったものは俺の中で魔力に変換して吸収されてるから、完全に無駄って訳じゃないし」
「あのね、魔力生成なんてスキルを持ってるあんたが、なんでわざわざ食事をして魔力を作る必要があるのよ。あんたの場合、食事は完全に趣味でしょ」
ジト目でこっちを見てくる凛に、笑みを浮かべて頷く。
「その通り。っと!」
再び放たれたガンドを回避する。
「ったく、しょうがないわね。じゃあ、材料を買って帰るわよ。あんたってば、洒落にならない程食べるんだから、食費だけでも赤字になるんじゃないかしら? 黄金律のスキルはどこにいったのよ」
溜息と共にガンドの発射態勢を解き、グラウンドを後にする。
当然俺もそれに続き、やがて商店街へと向かう。
「で、何が食べたい? 肉? 魚?」
「どっちでもいいけど、敢えて言うなら……両方だな」
スーパーの中で食材を選びつつ言葉を交わす。
最も忙しくなる夕方のピークがとっくに過ぎ、今は夜で客の姿は殆どない。
そんな中を、俺が買い物カゴを持ちながら凛と一緒に歩いているんだけど……どこの世界にサーヴァントが買い物カゴを持ち歩いている光景があるってのか。
いや、ここにいるけどな。
セイバー辺りなら、買い物カゴを持って付いて来いと言われれば、あの見えない剣で襲い掛かってきそうですらある。
……あ、でもセイバーも確か俺と同じように受肉してるんだよな? なら、食事をしている可能性もある訳で。
もしかしたら、腹ぺこセイバーとでも表現出来る存在になっている可能性もある……か?
いや、ないな。
あのセイバーだぞ? 生真面目というか、融通が利かないというか。
そんなセイバーが……なぁ?
「うん? ちょっと、どうしたのよ?」
隣を歩いていた凛が、俺の様子を不審に思ったのかそう尋ねてくる。
「いや、俺と同じく受肉しているセイバーも、もしかしたら食事を楽しみにしているかもしれないと思ってな。腹ぺこセイバーとか、ちょっと面白くないか?」
「……」
一瞬の後、思い切り噴き出す凛。
幸い周囲に客はいなかったので、凛の被っている猫の皮が剥がれたところを見ている者はいなかったが、その後、お仕置きとして激辛麻婆を食べさせられる事になる。
……美味いんだけど、辛いんだよ!
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