Fate/stay night
1112話
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巨大釘を強引に引っ張ると、俺とライダーの間で再び鎖がピンと張られる。
俺とライダーの力が均衡を保っている証。
けど……
「サーヴァントを倒してしまえば、その時点でどうとでもなるからな!」
強引に巨大釘を引っ張り、ライダーをこちらの手元へ引き寄せる。
向こうも抵抗しているようだが、筋力の差は歴然だ。
次第にライダーはこちらへと向かって引き寄せられ……
「それは確かにそうかもしれませんね!」
俺の引っ張る力を利用し、そのまま跳躍して間合いを詰めてくる。
武器も俺に抑えられている状態で何を? と思ったが、こちらの行為を利用して頭部目掛けて蹴りを放ってきた。
普通の人間ではどうあっても回避出来ないような蹴りであったが、生憎と俺はサーヴァント。
寧ろ巨大釘を捕まえていない方の手で、蹴りを受け止める。
だが、ライダーにすればそこまでが計算通りだったのだろう。まだ自由になっている左足で再び俺の頭部を狙って蹴りを放つ。
ちっ! 右手で巨大釘を、左手でライダーの最初の蹴りを放った右足を押さえている以上、このまままで回避は不可能。
咄嗟にそう判断し、右手で持っていた巨大釘を尖っている先端部分をライダーの足へと突き刺すべく叩きつけ……ライダーとしては、その一瞬を待っていたのだろう。
手の中で巨大釘を持ち替えようとした一瞬の隙を逃さず、強引に手で持っていた鎖を引き抜きながら、空いていた片手を俺の頭へと伸ばす。
「ちっ」
舌打ちをしながら掴んでいた足を離し、後方へと跳躍する。
戦闘が強いというより、上手い印象の女だな。
何より、あの目を隠している巨大な眼帯が気になる。
『あの眼帯、何だと思う?』
『普通に考えれば魔眼の類……だと思うけど』
念話で戻ってきた凛の予想も同じか。また厄介な。
次の一手を考えつつ、ライダーと向かい合う。
だが、ライダーはそんな状態あるにも関わらず、後方へと大きく跳ぶ。
「残念ですが時間切れです。では、またお会いしましょう」
そう呟き、この場を離脱していく。
追おうと思えば、当然追えるが……
チラリ、と凛の方へと視線を向ける。
ここでライダーを追うという選択をする場合、当然凛を連れていく訳にはいかない。
で、ライダーのマスターがどこにいるのか分からない以上は危険も高いので……
「どうする?」
「放っておきましょ。こんなにあっさり退くとなると、何らかの罠を張ってる可能性も高いわ。それに、ライダーのマスターの件もあるし」
どうやら凛も俺と同じ事を考えてはいるらしいと知り、安堵する。
「にしても……厄介な相手だったな。さすがに能力値では負けてるといった感じはしなかったけど、戦いに上手さが感
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