Fate/stay night
1112話
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して巨大釘の攻撃を回避する。
ここまでは同じだったが、違うのはここからだ。
先程は拳で弾いた巨大釘の一撃を、今度は鷲掴みにする。
ギリリッと音を鳴らす巨大釘。
どうにかして手の中から引き抜こうと、向こう側から引っ張ってくるのを感じるが、どうやら筋力に関してはこっちの方が上らしい。
「ほら、1本釣りだ!」
その叫びと共に、巨大釘を大きく引っ張る。
次の瞬間、巨大釘についている鎖がピンと張り、一瞬の均衡を保つ。
だがそれは本当に一瞬の事であり、次の瞬間にはこの巨大釘を操っていた存在が俺の前へと姿を現す。
「……へぇ」
姿を現した女に、思わず感心の呟きを口にする。
目を覆う巨大な眼帯、足下まで伸びている紫の髪、見るからに扇情的な衣装と、特徴に関してはこれ以上ない程に目立っていた。
それと、ついでに胸に関しても凛とは比べものにならないくらいに大きい。
「驚きましたね。まさか私を強引に引っ張り出すとは」
「お褒め頂き恐悦至極ってな。……それで? お前は何のクラスだ?」
「さて、それを聞きたいのでした、わざわざ私に聞かなくても、そちらの可愛らしいお嬢さんに聞いてみてはどうですか?」
引きずり出されたというのに、全く焦った気配がない。
これは、いつでも逃げ切れると判断しているからか?
となると、恐らくそのクラスは……
「ライダーね」
後ろから聞こえてきた凛の声に、やっぱりと頷く。
「ついでにもう1つ質問だ。この学校に張られている結界、お前の仕業だったりするのか?」
「さて、どうでしょう。私の仕業かもしれませんし、違うかもしれません。……それにしても、まさかサーヴァントが学生をやっているとは思いもしませんでした」
ライダーの口から出たその言葉に、ピクリと動きを止める。
何故俺が学生だというのを知っている?
いや、勿論少し調べればこの時期にこの学校に転校してきた俺を怪しむのは無理もないかもしれないが、それにしても俺をサーヴァントだと怪しんでいるという前提が必要だろう。
となると……
「お前のマスターは、この学校の生徒、あるいは教師といったところだな?」
「さて、どうでしょう?」
「そんな! この学校にはセイバーのマスター以外にマスターはいない筈よ!」
「なるほど、では違うのかもしれませんね」
あっさりと凛の意見を支持するような言葉を発するライダーだったが、その言葉はどう考えても本気で言っているようには見えない。
凛としても、本気で相手が自分のマスターの情報を答えるとは思っていなかったのだろう。
寧ろライダーとの今のやり取りで冷静さを取り戻したように思える。
「まぁ、結局はこいつが結界の犯人であろうとなかろうと……」
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