Fate/stay night
1112話
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グラウンドに着地した俺と凛。
最初は俺の腕の中で何が起きたのか分からずに混乱していたような凛だったが、跳躍中に屋上を見たのだろう。一瞬身体が固る。
そのまま空中を跳んだ俺は、凛を腕に抱いたままグラウンドへと到着。
正直、さっき凛に言ったように、ランサーと遭遇した時と殆ど同じ状況だ。
「どう思う? あの巨大釘の持ち主が結界を張った奴だと思うか?」
グラウンドへと凛を下ろしながら尋ねるが、凛は難しい表情を浮かべつつ首を横に振る。
「分からないわ。ランサーの件を考えると、今回もこっちの戦力を把握する為に偵察に出してきたという可能性は十分にあるし」
「俺達をか?」
周囲の警戒をしつつ尋ねるが、さっきの巨大な釘が襲ってくるような様子は一切ない。
「ええ。元々情報というのは大事だけど、今回の聖杯戦争の中でも特にアークエネミーの情報は大事よ。何しろ、本来であれば恐らく今回の聖杯戦争でも最強だった筈のバーサーカーをあっさりと撃退したんだもの」
「倒しきれはしなかったけどな」
「それにしたって、蘇生魔術の重ね掛けっていう反則があったからでしょ。事実、イリヤが3回バーサーカーを殺したって言ってたんだから。つまり、現状最強のサーヴァントはアークエネミーなのよ」
「そうは言っても、まだ会っていないサーヴァントとかがいるけど……なっ!」
再び飛んできた巨大な釘を身体を半身にして回避し、そのまま拳で横から弾く。
ジャラララ、という巨大釘についている鎖が音を立てながら飛んでいく巨大釘。
今の一撃といい、最初に不意打ちをしてきた時といい、今回のサーヴァントは俺を狙っている?
本来なら、サーヴァントではなくマスターを狙うのが常道の筈。
まぁ、ランサーみたいに戦闘を楽しむという性格をしているのなら話は別だが、今回の襲撃者に限って言えば、姿を隠しながらこっちの手の届かない場所から攻撃してくるのを見る限り、そんな様子はない。
何だ、このチグハグさは。
俺だけを標的にしている? この聖杯戦争で?
俺がバーサーカーを一蹴したのを知っているのかどうかは分からないが……いや、知らないと見た方がいいか。
もし知っていれば、こんなチグハグな行動を取るとは思えない。
「アークエネミー、どうするの?」
そう尋ねてくる凛だが、口調には焦りの色は一切ない。
俺を信じているのだろう。
である以上、こっちとしてもそれに応えなきゃ……
「男が廃るだろう!」
今度は先程と違い、俺の真横から飛んできた巨大釘。
そのまま放っておけば、間違いなく俺のコメカミに刺さっただろう。
だが、この程度の速度の釘剣は、敏捷A++のステータスを持つ俺に回避出来ない筈もない。
先程同様に身体を半身になるように
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