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Sword Art Online 月に閃く魔剣士の刃
14 号外・例外・想定外
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屋に部屋を借りている。
これだけ騒がれていて二人の行方が一向に分かっていないのは、正に『灯台下暗し』という他になかった。
ちなみに二人共、フレンド欄から居場所がバレないように了承してくれ、という趣旨のメッセとともにフレンドは全て切ってある。
故に文字通り彼らは生きていること以外は知られておらず、攻略ペースの低下から攻略の鬼であるどこかの細剣使いが既に沸点を余裕で振り切っているのを彼らが知る術はない。
「まあ、まずは事の真相を洗いざらい売り捌いてからその資金の還元法でも考えるかナ」
"鼠の"という二つ名を取っている割には、どちらかと言うと猫のように欠伸をしながらアルゴが適当さを隠そうともせずに言った
ちなみに今の時間はそろそろ深夜の1時。
流石にそろそろ眠気がピークとなる時間ではあるだろう。
「中層PLへの支援貢献度で言ったら正真正銘ぶっちぎりの癖によく言うぜ。まあ、SAOでバグは無い……と信じたいが、ネトゲにバグなんて俺らが呼吸するくらい自然な事だからなぁ……。どうにかして発生条件と意図的な再現方法の有無、回避方法くらいは探っておきたいな。一応、生命の碑を見る限りではシュンは生きているし、案外現実世界に戻れているのかもしれないな」
勿論、現在進行形で普段とは比べ物にならない程の
戦闘狂
(
バトルジャンキー
)
っぷりを発揮していることも彼らは知らない。
「まあ、シュー君なら多分大丈夫だろうしナ。ゲーム慣れしてる度合いならキー坊がぶっちぎりだけど、判断力ならシュー君のが頭抜けてるしネ」
「なんか聞き捨てならないな? まあ、それはどうとして生命の碑だけ確認して解散するか」
若干眠そうな様子のキリトの言葉にン―、とアルゴが相槌を打った。それを合図に二人で席を立つ。電子の世界で特に体が凝るはずはないのに、二人揃って伸びをしてしまう。
欠伸を噛み殺しながらキリト達は生命の碑へと歩いて行った。
「はてさて、Sは……っとあった」
夜も更けてきた中で真っ黒な生命の碑から名前を見つけるのは中々に難儀である。
十数秒を費やしてようやくキリトがシュンの名前を見つけた。
そこに書かれていたのは、
Shun: -/-/- 【Signal lost】
Signal lost。概ね接続の消失。つまり現在ログオフ状態。
「…………は?」
「ン? どーしたキー坊。どれどれ…………エ?」
二人揃って絶句した後、どちらからともなく叫び声を上げた。そして運悪く広場でそれを聞きつけたPLに見つかってしまった。
数分後。後の二つ名である"閃光"に恥じない早さで駆け付けた攻略の鬼にたっぷりと怒られたのは言うまでもない。
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