第六話「絶対神速」
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て見せる!」
自信はない。けど、そう自分に言い聞かせるよりない。俺は、無理にでも強気になるしかなかった。
これだけは絶対に勝たなくてはいけない……
一週間後、検討当日。代サンアリーナでは一組のクラス全員が観戦のため出向いている。勿論、俺の戦いをみるよりも、代表候補生であるセシリアの戦い方を見るのが目当てだ。
アリーナは観戦客で大変盛り上がっている。
――結局、空を飛ぶことはできなかったな?
前日まで練習したが、結局飛行移動はできずに地上戦をメインで戦うことになる。千冬も、それを承知してセシリアへ事前にそう報告している。きっと、セシリアもそれを聞いて鼻で笑いながらこの条件を承認しただろう。
アリーナへの入り口で俺は制服を着たままRSを装着する。一様、あのIS専用のピチピチタイツなど恥ずかしすぎて着る気にもなれなかったから、裏政府に言って制服のまま装着を可能にするよう許可させてもらった。
「では、ご武を……」
最後まで弥生は俺に笑顔でいた。
「でも……」
飛行することがなく、ハンデはつけられて俺はシュンとしていた。
「大丈夫です。きっと何とかなりますよ!」
そう、彼女からガッツをもらいつつ、俺は無理にでも気を取り直してアリーナのフィールドへ足を踏み入れた。
一方のセシリアは、IS専用のカタパルトから離陸して静かに地面へ着地する。
「あら? よく逃げずに来ましたわね?」
上から目線でセシリアは見下した。しかし、そんな下らな挑発など今の俺は緊張のあまり無視した。
「当り前だ……」
「それにしても……その身形はなんですの?」
と、彼女は俺の身形を指摘した。制服に二刀の剣を持っただけの姿に、彼女はそれをISだとは認めなかった。勿論RSである。
「そっちこそ、そんな『スクール水着』みたいなコスをしてよく恥ずかしくないな? 風邪ひくぞ?」
同じように俺が言い返すと、彼女は顔を赤くしてムッとするが、時期に落ち着いた様子を取り戻して、俺にこう返した。
「今なら、チャンスを上げますわ?」
「チャンス……?」
「今から私に跪いて忠誠を誓うのであれば……今までの無礼を許してあげてもよくてよ?」
「……いい」
俺は断った。
「そう? まぁ、ハンデはこちらにありますもの。手加減しながらゆっくりと可愛がって差し上げますわよ!?」
豹変した彼女は、俺から距離を置くと、遠方からのライフル射撃を行った。狙いは極めて正確だった。
「くぅ……!」
イギリスが開発した遠距離射撃級ISブルーティアーズ(蒼い雫)。その言葉とうり、遠距離射撃を主力としたISである。その恐ろしいほどの射撃の正確さに俺は苦戦を強いられる。
――このままでは……!
だが、俺は走りだした。RSを身に着けた人間の走る速さは時速500キロ、その走行速度でセシリアへ突
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