第六話「絶対神速」
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だこな状態で、俺に話しかける機会すらなかった。俺の元へ近づこうものなら、それより先に周囲の女子が遮るかのように弥生へ声をかけてくる。
一々、邪魔してくるかのようで舌打ちをしつつ、俺は放課後まで待ち続けた。
*
放課後、呆れた俺は我慢できずに自ら女子に囲まれている弥生の元へ向かおうとした。
――ビッチ共に何を言われようが知ったことか!
そう、俺は割り込む覚悟で弥生へ声をかけようとしたが、
「……あ! 鎖火さん!?」
俺が近づいてくるのに気付くと、弥生は周囲を囲む女子たちから抜け出して俺の元へ向かった。
「天弓侍さん?」
「お話する機会ができなくて、ごめんなさい」
「い、いいって……それよりも、大変そうだね?」
俺は、彼女の後ろを見た。そこには、まだ弥生と話足りない顔をしている女子たちがこちらを見ている。と、いうよりも彼女が俺の方へ向かったせいで睨んできているんですけど……
「何だが、視線がキツイな……?」
「御気になさらず。私も、あの子たちが苦手でして……ようやく鎖火さんがこちらへ来てくれたからよかったです」
「まぁ……アイツらが邪魔してくるようで何だかイライラしてさ?」
「う〜ん……私もそう思いますね? なんだか落ち着きがなくて、想像していた以上に苦手な場所です」
やはり彼女自身も、ここが想像していたよりも嫌な場所だと思ったのだな。俺も、ここへ来たときは、吹っ切れそうになったことが何度かあった。
「さ、早く行きましょう? それと、一夏さんは……?」
「あ、一夏ね……」
すっかり忘れてた。しかし、運よく近くに居たようで、俺は彼を誘って弥生に会わせた……が。
「一夏は私と稽古を行う。邪魔はしないでくれ?」
一足早く、箒が一夏の手を掴んでいて彼を返してはくれずにいる。全く、こっちは大事な要件があるのに……
「ごめんなさい篠ノ之さん? でも、今とても大事なお話を一夏さんとしたいの……」
「い、一夏と大事な……!?」
途端に、顔を真っ赤にして勘違いをする箒に俺はため息をついた。
――ったく! 本当にムカつくな?
俺は、我慢できずに箒の前に出た。
「あのさ? 別に天空侍さんと一夏はそういう仲じゃないよ。ISに関する話だから、変な誤解はしないでくれ?」
俺はそう言うも、やはり彼女は未だに頬を赤く染めて一夏へ怒り狂っている。
「どうしてお前にこんな綺麗な人が居るんだ!? 私が居ない間に……!!」
しかし、そんな彼女を見兼ねた弥生は、懐から一枚の御札を取り出した。
「箒ちゃん?おいたは、めっ」
と、微笑みながら箒の額に御札を張り付けた。すると、彼女は石のように動かなくなり、表情もそのまま眉間にしわを寄せたままになって、ピクリともしなくなった。
「な、何を……?」
一夏は、箒の突然の異変に驚くも、弥生は落ち着い
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