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ドリトル先生の水族館
第四幕その二

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「調整しましょう」
「それがいいですね」
「確かにこの子達は今の気温でも大丈夫ですが」
「それでもですね」
「適温でないことは確かです」
「そういうことですね」
 係の人も頷いて応えました。
「それでは」
「お願いします、他のところはです」
「問題ありませんね」
「そうです、健康そのものです」
 ジュゴン達もマナティー達もというのです。
「皆」
「それは何よりです」
 係の人も笑顔で喜ぶことでした。
「そのことは」
「そうですね、それでは」
「いや、外の気温のことも考えて」
「水温を調整してくれれば」
「いいですね」
「そうです」
 こうお話してでした、ジュゴンやマナティー達の診察も終えました。そして海牛目のコーナーを去ろうとすると。
 先生達の横に海牛目の説明が書かれている展示画を壁に観ました、皆はその中にあるステラーカイギュウという海牛を見て言いました。
「もういない動物だよね」
「絶滅したんだよね」
「乱獲されて」
「それでだよね」
「そう言われているね、ただ」
 先生は皆にそのカイギュウについてお話しました。
「まだ目撃例もあるからね」
「ひょっとしたらなんだ」
「まだいるかも知れないんだね」
「そうかも知れないんだ、北極海の方にね」
 北の寒い海にというのです。
「そう言われてるんだ」
「本当にいるのかな」
「絶滅していなくて」
「まだいるの?」
「北極の方に」
「そうかも知れないよ、とにかくね」
 またお話した先生でした。
「このカイギュウはひょっとしたらなんだ」
「いるかも知れないんだ」
「じゃあ見つかったらいいね」
「やっぱりいて欲しいからね」
「絶滅していなくて」
「僕もそう思うよ」
 先生もその絵を見ながら皆に答えました、そしてそのステラーカイギュウについて書かれている説明を見て言うのでした。
「このカイギュウは特別なんだ」
「海牛目の中でも」
「そうなんだね」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「まず大きさだね」
「一番大きなので九メートル?」
「ジュゴンやマナティーもっと小さいよ」
「九メートルなんてとてもね」
「ないよ」
 皆まずその大きさに驚きました。
「九メートルって」
「幾ら何でも」
「うん、寒い場所に住んでいてね」
 先生が驚く皆にお話します。
「その分身体が大きかったんだ」
「鯨みたいな大きさだったんだ」
「それで海にだね」
「ぷかぷかとずっと浮かんでいて」
「海藻ばかり食べていたんだ」
「そうだったんだ、確かに身体は大きかったけれど」
 それでもというのです。
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