第四幕その二
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「あの鳥も小骨多いから」
「鶉は小さいからそう感じるのかもね」
「そうかもね。けれど実際に」
「鳩はっていうんだね」
「小骨が多いわ、それが気になるわ」
「けれど鳩も美味しいわよ」
勿論ドロシーも食べています、そうしながらお話するのでした。
「私も前に食べたことがあるけれど」
「小骨は多くても」
「美味しいわ」
そうだとです、ジョージに言うのでした。
「そうしたものと思って食べることよ」
「そこは割り切って」
「そう、美味しいものが食べられる」
「まさにそのことがですね」
「第一でしょ」
「確かに。言われてみれば」
「そういうことだから、じゃあローストを食べて」
そしてというのです。
「パンも食べてね」
「デザートもあるよ」
魔法使いも言ってきます。
「それもね」
「今日のデザートは何ですか?」
「果物だよ」
「それですか」
「林檎にオレンジ、それに西瓜と無花果だよ」
「あっ、西瓜もあるんですか」
「そうだよ、西瓜は好きかな」
魔法使いは皆にこのことも尋ねました。
「あれは」
「はい、好きです」
「西瓜大好きです」
皆西瓜と聞いて魔法使いに笑顔で答えました。
「とてもです」
「大好きです」
「あんな美味しいお野菜ないですよね」
「甘くてすっきりしてて」
「最高です、西瓜」
「うん、皆西瓜をお野菜と知っていることもいいね」
実は果物ではないのです、西瓜は。
「とにかくね、西瓜もね」
「デザートとしてあるんですね」
「そちらも」
「そうだよ、だから楽しみにしていてね」
「ううん、西瓜はね」
ここで腹ペコタイガーも言います、山の様に盛られたパンもローストも実に美味しそうにもりもりと食べています。
「いいよね」
「あっ、腹ペコタイガーさんもなんだ」
「西瓜食べるんだ」
「虎なのに」
「うん、オズの国の虎は食べるよ」
腹ペコタイガーはこう五人に答えました。
「僕の大好物の一つだよ」
「僕も食べるよ」
臆病ライオンも言ってきました。
「そして大好きだよ」
「僕もアメリカにいた時は食べなかったけれど」
トトもなのでした。
「好きだよ」
「ううん、オズの国の動物はね」
「虎やライオンもお野菜食べるんだ」
「そうなんだね」
「そうだよ、いざとなればね」
ここでトトが言うことはといいますと。
「西瓜を牙で割って食べるんだ」
「トト、そんな無作法はことをしたら駄目よ」
ドロシーは自分の横にいるトトの今の言葉を聞いて少しむっとして注意しました。
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