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ソードアート・オンライン 〜黒の剣士と神速の剣士〜
SAO:アインクラッド
第19話 食事会
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カゲヤside


第61層主街区セルムブルグ

俺たちがセルムブルグの転移門に到着した時にはすっかり陽も暮れかかり、最後の残照が街並みを深い紫色に染め上げていた。
キリトは両手を伸ばしながら深呼吸をした。

「うーん、広いし人は少ないし、開放感あるなぁ」

「なら君も引っ越せば?」

「金が圧倒的に足りません」

キリトは肩をすくめて答えると、表情をあらためてアスナに遠慮気味に訊ねた。

「……本当に大丈夫なのか?さっきの……」

「……」

それだけで何のことか察したらしく、アスナはくるりと後ろを向くと、俯いてブーツのかかとで地面をとんとん鳴らした。

「……私1人の時に何度か嫌な出来事があったのは確かだけど、護衛なんて行き過ぎだわ。要らないって言ったんだけど……ギルドの方針だからって参謀職たちに押し切られちゃって……」

「私も一緒に反対したけど聞いてもらえなかった」

「昔は団長が1人ずつ声を掛けて作った小規模ギルドだったのよ。でも人数がどんどん増えてメンバーが入れ替わったりして……最強ギルドなんて言われ始めた頃からなんだかおかしくなっちゃった」

沈んだ声で話すアスナにキリトは何も言えなかった。
そのまま沈黙が続いた後、場の空気を切り替えるようにアスナが歯切れのいい声を出す。

「まあ、大したことじゃないから気にしなくてよし!早く行かないと日が暮れちゃうわ」

サキに立ったアスナに続いて俺たちは街路を歩き始めた。
アスナの住む部屋は目抜き通りから東に折れてすぐのところにある小型の美しい造りのメゾネットの3階だった。
俺はサキの部屋に入ったことがあるから平気だったが、そういう経験のないキリトは建物の入り口で躊躇していた。

「しかし……いいのか?その……」

「なによ、君が持ちかけた話じゃない。他に料理できる場所がないんだから仕方ないでしょ!」

アスナはぷいっと顔をそむけるとそのまま階段をとんとん登って行く。
キリトは覚悟を決めたのかその後に続いていく。
それを見ていたサキは俺に向かって言う。

「私の家なら料理出来るって言わなくてもいいのかな?」

「多分言わなくていいだろ。なんだかんだで内心喜んでそうだからな」

「確かにそうだね」

俺たちはアスナの後を追う。

「お、おじゃまします」

恐る恐るドアをくぐったキリトは言葉を失って立ち尽くした。
同じくドアをくぐった俺たちも言葉を失った。
それ程までにアスナのホームは綺麗すぎるほどに整えられていた。

サキのホームより整ってるな……

そう思っているとキリトがアスナに質問する。

「なぁ、これいくらかかってるんだ?」

「んー、部屋と内装合わせると4000kくらい。
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