Fate/stay night
1111話
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戦争の舞台となる冬木という場所を見て回ることが出来たでしょ?」
「まぁ、そうでも思ってないと意味がないか。それより、これから学校に行くってことでいいのか?」
既に周囲は暗くなっており、学校に人が残っているという事もないだろう。
……この前の衛宮の時のような事がない限りは。
「そうね。起点を潰しておいた方がいいでしょうね。行きましょ」
そう告げ、俺と凛はサーヴァントを探しながら学校へと向かう。
「全く、こんなに修復されるのが早いなんて。厄介ね」
校舎の中を歩きながら、凛がブツクサと口にする。
校舎の中へと入った瞬間、昨日と同様に感じた結界。
昨日起点を潰したのに既に復活している結界に苛立ちながらも、凛は再び起点を潰していった。
そうして俺達が向かっているのは、昨日ランサーに襲撃された屋上。
まさかまたランサーが待ち構えている訳ではないだろうが、一応念の為ということでやって最後にここへとやって来たのだ。
「ま、それでも起点をどうにかすれば結界を起動出来ないなら儲けもの程度に思って置いた方がいいだろ」
「そうね」
短く言葉を交わし、凛が起点へと手を伸ばして数秒。
「ふぅ、終わりっと」
「ご苦労さん。それでこれか……ちぃっ!」
言葉の途中で咄嗟に近くにいた凛を抱きしめ、そのまま跳躍する。
瞬間、何かが一瞬前に俺がいた場所へとぶつかり、コンクリートの床を砕く音が聞こえてきた。
「ちょっ、アークエネミー!?」
「敵だ! 恐らく……いや、間違いなくサーヴァント!」
腕の中でいきなりの事に驚愕の声を上げる凛にそう告げると、凛は視線を俺の肩越しに屋上へと向ける。
俺も一瞬だけ顔を屋上の方へと向けると、そこでは巨大な釘のような武器がコンクリートへと突き刺さっているのが見えた。
「どうやらランサーじゃないみたいだな!」
幸か不幸か、敵はランサーではないのは確定して……俺は凛を抱きしめたままグラウンドへと着地するのだった。
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