Fate/stay night
1111話
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!」
再び上がる悲鳴。
だがこのタイプの奴は、中途半端なところで止めると逆恨みをして襲ってくる。
……うん? 何でそんな考えが俺の中にあるんだ?
いやまぁ、ワカメの目の奥にある光を見る限り、それは間違いじゃないだろうが。
「なぁ、教えてくれないか? ただで済むと……何なんだ?」
「いっ、いや! 何でもない! 何でもないったら、ない! お、お前の聞き間違えだよ!」
「……そうか。そうだよな、まさか逆恨みをして俺や凛にちょっかいを出すような真似はしないよな?」
優しく問い掛けると、ワカメは何度も、何度も頷きを返す。
凛が俺との噂が広まるより、ワカメに言い寄られないのを選んだのだから、ここで念を押しておくか。
掴んでいた手を離し、それに安堵したワカメの肩に手を乗せながら口を開く。
「凛は俺の女だ。お前如きが手を出せる女じゃない。分かったら、もう2度と凛に手を出したりするなよ?」
「……」
「わ・か・っ・た・な?」
ワカメの肩に、徐々に力を入れていく。
「わ、分かった、分かったぁっ!」
痛みに悲鳴を上げるワカメ。
うん、ここまでやればもう凛に手を出す事はないだろうし、もし手を出すにしても俺の方に手を出してくるか。
「そうか、分かってくれて嬉しいよ。じゃあ、俺と凛はこれからデートの続きを楽しむから、そっちもそっちで楽しんでくれ」
ワカメの肩を軽く叩き、何故か目を見開いている取り巻き2人をそのままに、凛の方へと近づいていく。
凛としても、ここでワカメに決定的な光景を見せることが最善と考えたのだろう。
俺の左手に抱きつきながらその場を後にする。
喧嘩か? と揉め事を期待していた周辺の野次馬が、特に騒動にもならなかったのを見て、そのまま散っていく。
そんな光景を背に、俺と凛はその場を去って行くのだが……
『ちょっと、誰があんたの女よ』
凛が念話で抗議をしてくる。
『演技だよ、演技。その演技に乗っかってこうしてるんだろ? ……にしても、よく聞こえたな。小声で言ったつもりだったんだけど』
『サーヴァントとマスターだからかしらね。……全く、この件が綾子の耳に入ったら、またからかわれるじゃない』
そうは言っても、今のやり取りを見ていたのは大勢いるし、学校の生徒らしい者も何人かいた。
間違いなく噂になると思うけどな。
そんな風に考えながらもその場を立ち去り、サーヴァントを探したり誘き寄せる為に色々な場所を移動する。
けど……結局はサーヴァントの姿を見つけることが出来ずに夜となる。
「……結局は意味がなかったか」
溜息と共に言葉を吐き出すが、凛は首を横に振る。
「そんな事はないわよ? 少なくてもアークエネミーは聖杯
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