Fate/stay night
1111話
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聞こえるが、その目に浮かぶ視線は隠しようがない。
つまり、もしも凛が一緒に行動すれば間桐の意識は凛にだけ向けられるのを心配している視線だ。
そんな視線を向けられて一瞬考えた凛だったが、やがて不意に俺の腕に抱きついてくる。
……うん、柔らかさが微妙にしか感じられないってのは、言わない方がいいんだろうな。
勿論ない訳じゃないんだけど。
「ごめんなさい。私はアークとデート中なの。そっちもデート中なんだろうし、邪魔しちゃ悪いでしょ? 別行動にしましょう?」
「なっ!? お、おい、お前。アークって言ったな。遠坂の言ってる事は本当なのか!?」
何かを確認する意味を込めて問い掛ける……というか、怒鳴りつけてくるワカメに、凛が俺の腕を抱きしめている力を強くする。
念話ではなく行動で何をして欲しいかを示してきた凛の様子に、口を開く。
「そうだな。少なくてもお前のようなワカメと一緒に行動するよりは、俺と凛の2人でゆっくり休日のデートを楽しんでいるってのは事実だ。分かったんなら俺達のデートの邪魔をしてないで、さっさと消えろ」
凛が抱きついていない方の手で、野良犬にやるようにシッシッとしてやる。
そこに、先程の昼食の時のアドバイスを思い出したのだろう。俺の腕を抱きしめながら、凛はにこやかな……それこそ、天使の如き笑みを浮かべながら口を開く。
「以前から言ってたけど、私は間桐君に一切何の興味も持っていないの。男としての魅力も欠片も感じないし。これからは私に付き纏わないでくれる? 幸い間桐君にも彼女が……それも2人もいるみたいだし、いいわよね?」
「なっ!?」
まさか、ワカメにしてもここまで言われるとは思わなかったんだろう。言葉に詰まって、何も喋れない状態になっていた。
「では、私はアーク君とこれから2人で楽しむわ。これからは私に言い寄ってきたりしないで下さいね? 迷惑だから」
相変わらずの天使の如き笑みを浮かべて堂々と告げる凛。
……うん。ただ、ちょっとやり過ぎだ。恋人かどうかは分からないけど、こうして一緒に出掛けてるんだから当然ワカメとしては一緒にいる2人に対して好意を抱いているのだろう。
その好意を抱いている女の前で、凛を口説こうとか考えるのは正直どうかと思うが。
ともあれ、そんな女2人の前で凛にこれ以上ない程キッパリと振られ、恥を掻かされたのは間違いない訳で……
「遠坂ぁっ!」
そんな叫びと共に、ワカメが俺の腕に抱きついている凛に掴み掛かろうとする。
「っと、頭に血が上りやすい奴だな」
空いている右手を伸ばし、こっちに近づいてきたワカメの胸ぐらを掴む。
「がっ、お、おい! 僕にこんな事をしてもいいと思っているのか!」
「それを言うなら、お前が何をし
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