月下に咲く薔薇 8.
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小走りを始めた。流石に今回は止める理由もないので、「そういう組み合わせになったか」と青山が渋々ついてゆく。
女性達も買い物時の興奮を維持したまま、誰からともなく多くが一カ所に集合した。
「靴! さっきの靴見ていいかしら?」と始めるミヅキが、「希望のある人は、今出して」と白熱した口調で仕切り立ち寄り順を決めてゆく。
「あと59分」
その熱気に水を差すつもりなのか、いきなりティエリアが残り時間を告げた。
「一緒に動くつもりなんでしょ。なら、野暮な事は無しよ」
「事実を言ったまでだ」
あくまで固いティエリアに、ミヅキがさっと近づくや、あろう事か彼の顔を引き寄せその大きな胸に押し当てる。
「力まなくても大丈夫。私達は弾けてたって、ちゃんと見てるから」
「な…何を…!?」
胸の谷間から聞こえるのは、取り乱しややくぐもったティエリアの声だ。
「みんな、貴方の事が好きなのよ。…だから一緒に遊びましょ!」
「よ、よせ! やめろ!」
抵抗するティエリアを、半ば引きずるように女性達が連れ去る。その後に戸惑いぎみの刹那、アレルヤ、キラ、アスラン、シンがつき、ロジャーとドロシーは斗牙達について行った。
嵐が過ぎたところで、残されたロックオンが独りごちる。
「ぶったまげたぜ。…まさか、ああいう手があるとはな」
「流石に思いついても、俺達に実践は無理だ」ほぼ同じ心境の中、クロウはロックオンに応えてやる。「あれで元気になるティエリア、見られると思うか?」
「さぁな」見たい思いと見たくない思いの境界線上で、ロックオンが巧みにはぐらかす。「まぁ何にせよ、ZEXISに感謝ってやつだな。俺も扇と同じだ」
「俺が、どうしたって?」
しみじみと仲間の有り難みに浸っているロックオンの後ろから、3つの人影が現れる。ミシェル、クラン、更にはその名を出したばかりの扇だ。
「俺も、どっちかの警護に回ろうと思ったんだが、デュオに止められてな」
「デュオ?」
嫌な予感がしクロウがカクカクと首を回すと、鉢植えの間から「よっ!」と三つ編みをぶら下げた少年が顔を出す。「何でも、クランとロックオンに約束したそうじゃないか。『後で話がある』って」
「耳聡いな、お前…」
しかも、ミシェルまでが追い打ちをかける。
「あの打ち合わせで何かを感じた人間は、みんな真相を知りたがってるんだぜ。元々、俺もクランも無関係じゃない。今更人数を絞るなよ。ここにいる全員で、仲良く情報共有といこうじゃないか」
「ああ。俺としても、ミシェルとクランには聞いて欲しいからな」
真顔のロックオンも、その提案に同意する。
なるべくならロジャーにも加わって欲しいと思ったが、彼は護衛の役割についた。クロウ達が外れる分、ロジャーまで連れ出す訳にはゆかない。
「じゃあ、まず適当な店を見
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