月下に咲く薔薇 8.
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のある規模が評判を呼び、平日でも大勢の客で賑わう一大名所となった。
かく言うZEXISのパイロット達も、バトルキャンプ滞在時には息抜きに何度か利用している。外出から帰ってきた女性達の表情一つでその満足度を推し量る事ができる場所だ。買い出し隊の休息目的として、この施設以上に相応しい所はまず見当たらない。
概ね皆の表情は明るいが、駐車場に立ったままやや不機嫌な様子の少年が1人、車中の大山に尋ねようとして前屈みになる。
眼鏡のフレームが光った。幾分は元気を取り戻しているティエリアだ。
「材料の調達後、1時間の自由行動を認めるとあったが、警護上個人単位での行動は望ましくない。どうするつもりだ?」
「一応、ある程度グループで行動してもらうつもりよ。ベリーはとっても広いし、場合によっては、つい時間を忘れてしまうって事もあり得るわ。複数で固まって、互いに注意するのがいいと思うの」
「私も、それには賛成だわ」車のキーを指先で弄びつつ未だ運転席には収まらず周囲を警戒しているミヅキが、自らの胸を右の親指で指す。「もし女の子達が男性の入りにくい所に行くのなら、その時は私や琉菜、エィナとルナマリアでフォローするわ」
「了解」、「はい。承知致しました」、「それでいいわ」とルナマリア、エィナ、琉菜がそれぞれ車中で頷く。
リィルや谷川、中原の組に入れられたと気づき、「私も当てにしてくれていいぞ!」とクランが突如伸び上がる。
しかし、ミシェルが口元に1本指を立てその立候補を半ばで遮った。
「何故だ!?」
「折角の配慮だ。甘えさせてもらおうじゃないか、クラン」
そしてミシェルはクランを先に乗車させ、クロウとロックオンに射るような眼差しを向けた。
ロックオンもクロウが先程後回しにした件にかなり興味があるようで、「俺もお前と行動したい」とクロウの肩に手を置くや、その指先に力を込めてくる。
消えたバラの件か、さもなくばクロウが交わしたロジャーとの会話についてか。いずれにしても、今更ミシェルを外す訳にはゆかなそうだ。
人間観察に長けたロジャーが、そんな空気から何かを読み取ったのだろう。
「君が決める事だ」と言うに留め、ドロシーを助手席に座らせると、同じ車の運転席で音を立てドアを閉めた。
「へいへい。俺は逃げも隠れもしませんよ、っと」
クロウは一旦ロックオンから離れ、シン、ルナマリア、キラ、ティエリアが乗る車の運転席につく。未成年者を中心に乗せている車は3台が5人乗りとなって、クロウの他、アレルヤとミヅキがその運転を任されている。
分乗の構成は、スメラギの考案によるものだ。赤木、青山、いぶきの車をロックオンが運転。斗牙、エイジ、琉菜、リィルの乗る車をミヅキが。谷川、中原、デュオの車をアスランが。ミシェル、クラン、刹那、エィナの乗る車をアレルヤ
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