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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第三八話 心の隙
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いう印象、人懐っこい犬のようでもある。
「……貴官は?」
「鈴木っていいます。まぁ平凡な名前でしょ?」
確か、関東で最も多い苗字だったような。確かに平凡だ。
「今オフなんで適当ぶらついて時間でも潰そうって思ってたら中尉殿がみょ〜に悲しそうな顔してたんで、声を掛けたんですよ。」
―――悪い人じゃないのかもしれない。そんな思念が一抹に脳裏によぎる。
自分より一つか二つ上だろうか、人としての軽さはどうしても拭えない。だけど、自分を心配してくれたのだから無下にするわけには往かないのかもしれない。
「貴官の心配を無下にするようで悪いが、これは私個人の問題だ。しばらく雲で見て落ち着けばどうとでもなるさ。」
「そんなつれない事を言わずにさ、人に話すだけでも結構楽になるよ?」
妙に食い下がってくるな……?
たまにすれ違うだけの相手でしかないはずだった相手の気安い接触に唯依が疑念を抱いたその時だった。
「それに、こんな人気の無い場所で女の子が一人だと危ないよ?」
「っ!?」
男の目つきがいやらしく歪んだその瞬間、背後からの気配に唯依が振り向こうとする。
しかし、それよりも背後の存在の動きが一瞬早い。
「―――離せっ!」
「離すなよっ!!」
後ろから何者かに羽交い絞めにされる唯依、感触から男だと分かる。
―――基地内だからと油断した。男と女の体力、体重、筋力の違いから振りほどくのは難しい、しかも男は軍属になるにあたってCQCなどの格闘術を踏まえている捕らえ方だ。
自らの不用心に歯噛みする。
「貴様ら、こんなことをしてタダで済むと思っているのか!?」
「思っちゃあいないさ、表沙汰になれば銃殺刑だろうな……けどよ、それはアンタがそれを言った場合だ。」
「俺たちは待っていたのさ、アンタが“こういう事をされて”それを口にするのを躊躇する相手が出来るのをな!!」
背後から唯依を捕らえる男に続いて鈴木と名乗った男が口にした言葉―――それは忠亮のことを指す言葉だった。
「さてお喋りはここまでだ、さっさと連れていくぞ。」
「おう、まぁ生娘ってわけでもないんだろ。楽しめや。」
「……下種が」
唾棄するように吐き捨てる、だがそれは無力であるが故のせめてもの抵抗だった。
この後、自分がどのような目にあうのかは容易に想像がつく。その恐怖を怒りに変えて抗うのがせめてもの抵抗だった。
(―――忠亮さんっ!助けて……ください)
奴らは明らかに忠亮の留守を狙っていた、故に彼の助けは期待できない。
このまま、無残に下種どもの蹂躙を許してしまうのか。
その悔しさ、無力でうかつだった自分への憎らしさに涙が込み上げて零れそうなる。
そん
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