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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第三八話 心の隙
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た人間だけが得る肉体だった………必要だから、などと感情の無い心で其処まで出来る訳がない。
衛士として有るのなら、そこまで剣を扱うのに特化した肉体なんぞ要らないからだ。
軍人としても、剣よりも格闘戦と銃にそのリソースを振り分けて鍛錬したほうが用をなす。
今どきの戦闘で日本刀での戦いに特化する必要はない。
必要はないのに、彼はその鍛錬を続けていた………それは、不必要と分かっていながらも、捨てられない、彼が人間性を持続けている事の証左である……はずだ。
「……篁中尉、あなたはあの人と一緒に歩むのなら、切り捨てられる覚悟が必要だと思います。」
「……私は―――」
少し、ほんの少し前であったのなら、それでも一緒に歩いて行きたいのだ。と答えれただろう。
でも、今の唯依には清十郎の言葉を振り切って断言できるだけの自信が無かった。
「よく、考えてみてください。小官は貴女が後悔しない生を歩むことを望みます。
……願わくは、貴女があの人を持ち主に害為す妖刀ではなく、この日本の守り刀とすることを。」
清十郎の祈るような言葉。
………生かすも殺すも自分次第、そう言われているような気がした。
(あの人は私のことを愛していると言ってくれたけど、それは本当なのだろうか。
それに……果たして、私はあの抜身の刀のようなあの人の生き方に影響を及ぼすことができるのだろうか。)
自分は彼を支えたかった。彼の生きざまを見ていきたかった。
でも、彼の生き方が単に迷走にすぎないのなら……目を覚まさせないといけない。
しかし………手段すら皆目見当もつかないが、仮にそれを為したとして彼は…その後、自分を愛してくれるのだろうか。
(………寒いな。)
唯依が不安からか、体に奔った悪寒に自分の体を抱きしめたころ、ひゅうっと甲高い笛にもいた音を立てて北風が吹きすさぶ。
「こんなところにいると風邪ひいちゃいますよ。」
不意に声が掛かってくる。
……聞き覚えの無い声だ。声のほうへと視線を向けるとそこにはフライングジャケットを身に纏った男がいた。
確か、調布基地の駐屯している帝国軍の衛士だったはずだ。
この調布基地はBETA侵攻前から新型機の開発・起動実験を行っているが、佐渡島にハイヴを建設されてからは地下穿孔によるBETA奇襲の危険に晒されるようになったために防衛部隊が駐屯するようになった。
最も、第三次防衛ラインに該当する中途半端に前線から離れたこんな基地に駐屯する防衛部隊の人員の質はハッキリ言って高いとは言い難い。
現に、髪も金髪に染めて耳にはピアス。どれだけ敬語を使っていてもチャライという印象はぬぐえない。
顔だちはやや幼さいと
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