第三十二話 加藤中尉!作者は折り鶴を折れない!!その十二
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「だから食わせろってんだよ」
「さもないと御前の嫌いなもの食わせるぞ」
「言ってみろ、嫌いなものなんだよ」
「教えないと御前の浮気写真捏造してネットにばらまくぞ」
「その写真捏造の方が早いだろ」
奥田さんはこう二人に返した。
「俺に嫌いなもの聞くより」
「ああ、それもそうか」
「まあこれはいつも言ってるからな」
捏造写真の拡散をだ、確かに二人がいつも言うことだ。
「だからだよ」
「今回は趣向を変えたんだよ」
「それでなんだよ、あんたの嫌いなもの」
「何でもいいから言ってみろよ」
「まずいもの全般だけれどそれがどうしたんだ?」
奥田さんはむっとした顔で二人に応えた。
「作者が大阪西成区のあるうどん屋で食った鴨そばは最悪だったな」
「ああ、あの最初から麺がのびてたっていうか」
「あのそばか」
二人も知っていることだった、何しろ書いているのはその作者だ。
「葱とついでに玉葱も入れていてな」
「後味が残るレベルのまずさだったっていうな」
「あんたそれが嫌いか」
「よし、じゃあ西成に連れて行ってやる」
そしてその鴨そばを食わせてやるというのだ。
「大阪は美味いものばかりっていうのは嘘だからな」
「まずい店はすぐに潰れるっていうのもな」
「その店結構以上に古いからな」
「昔からまずいって評判らしいからな」
「肉じゃが食わせないとその店に連れて行くぞ!」
「ついでにカレーも食わせろ!」
実に図々しく言う二人だった。
「さあ、いいな!」
「早く出せ!どっちもな!」
「今日はどっちもメニューにねえよ」
奥田さんは二人の図太い要求にこう返した。
「エビフライだよ、メインは。あとポテトサラダに野菜のスープだよ。デザートは林檎だ」
「何だよ、ないのかよ」
「肉じゃがもカレーもか」
「カレーは金曜だよ」
自衛隊の全ての部隊でそうだ、昼に食べるのだ。
「今日は木曜だろ」
「一日違いか、残念だな」
「じゃあ外に食いに行くか」
「仕方ねえな、舞鶴の街に出て食って来る」
「兄ちゃんまた来るからな」
「今度はちゃんと食わせろよ」
「二度と来るな」
奥田さんは二人にむっとした顔で言い返した。
「この基地自体にな」
「普通の国民の人達は笑顔で迎えるのにな」
「俺達はこんな扱いかよ」
「ったくよ、俺達も国民だろ」
「この扱いの差は何だよ」
まさに日頃の行いのせいだが二人はそんな風には考えない、それで教育隊の門を守る自衛官の人達からも白い目で見られつつ外に出てだった。
人目を偲んで変身を解いてだった、そこから街で肉じゃがとカレーを食べた。それでとりあえずはお目当ては楽しんだ。
そしてだ、赤煉瓦の町並みの中で瞬と加藤に言うのだった。
「肉じゃが美味かったぜ」
「カ
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