第三十二話 加藤中尉!作者は折り鶴を折れない!!その十一
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「御前等、あれが人間のクズや」
「はい、そうですよね」
「正真正銘のクズですよね」
候補学生の人達も二人を見つつ応える。
「何でここに来たんですかね」
「教育隊の基地に」
「許可得てるんですか?」
「こいつ等自衛隊にとっても敵じゃないんですか?」
「強引に着陸してきたんや」
四十代前半のだ、海上自衛隊一等海尉の制服を着た分隊長は二人を汚物を見る目で見つつ忌々しげに言った。
「許可もや」
「強引にですか」
「得たんですか」
「防衛省からな、何か偉いさんの奥さんの浮気写真捏造してネットでばらまくとか言ってや」
「うわ、最低ですね」
「そんなことする奴等でしたね、本当に」
学生の人達はいよいよ二人を軽蔑の極みの目で見つつ言った。
「堂々と脅迫したんですか」
「本当にクズですね」
「そうしたらしい、あと自衛隊なら国民に協力するのが当然だろって言ってや」
「それも最低ですね」
「自衛隊には何言ってもいいって言うんですか」
「サービスを強要するのも」
「そや、御前等絶対にこうした連中にはなるな」
分隊長は二人を指差したまま学生達に言うのだった。
「あれがホンマの人間のクズや」
「ですね、俺達ああした連中にはなりません」
「立派な自衛官になります」
「悪田部さんから許可得てるんだけれどな」
「国民からの願いってことでな」
ヘリから出た二人は自衛隊の人達の蔑んだ目と声を正面から浴びつつ二人以外には聞こえない小声で話した。
「それでこれかよ」
「この応対かよ」
「もう何かな」
「俺達の嫌われっぷりって普通じゃねえな」
「海だけが奇麗だぜ」
「全くだな」
二人はここで海を見た、海上自衛隊の教育隊なので当然傍に海がある。その海は青く何処までも澄んでいる美しいものだ。向かい側の港まで見える。
その港や停泊している船達まで見つつだ、二人は。
自衛官の人達にだ、あらためて尋ねた。
「おい、肉じゃが美味い店ないか?」
「どっか知らないか?」
「よかったら教えてくれよ」
「そこで食うからな」
「誰が御前等に教えるか」
「そんなのは自分で探せよ」
これが自衛官の人達の二人への返事だった。
「というか二度とここに来るな」
「海自の基地に入ってくるな」
二人に忌々しげに言う。
「あと自衛隊の食堂にも行くなよ」
「あそこも国民の皆さんの税金で御飯出してるんだよ」
「御前等みたいな連中が来るな」
「わかったな、そのことが」
「へっ、来るなって言われたら行ってやるのが俺達だぜ」
「人の嫌がることをしてやるぜ」
二人は自衛隊の人達の言葉にかえって闘志を燃やした、そして。
変身しているその姿のままだ、堂々と舞鶴教育隊の食堂まで行ってだった。
そのうえでだ、給養員の奥
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